INFINITE

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韓国出身の7人組ボーイズグループ、INFINITE(インフィニット)が約1年半ぶりの日本単独公演を行った。「ク ヘ ヨルム(あの年の夏)」と題されたライブは、韓国で2012年から2年に1度開催されている小劇場コンサートシリーズ。1回目が5公演、2回目が7公演、3回目の今年にはソウル5公演、釜山2公演が行われたが、通常の1/10規模の会場での公演に、毎回、激しいチケット争奪戦が繰り広げられる。

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日本でもアリーナ会場でライブを行うINFINITEが、東京・豊洲PITで5公演、大阪・Zepp Nambaで3公演という、日本で初の「ク ヘ ヨルム(あの年の夏)3」を開催! ライブハウスという近すぎる場所、そして、アットホームな雰囲気で行われた9月1日、豊洲PITの模様をレポートする。

音楽性にこだわりのあるINFINITEは、毎回、生バンドでライブを行うが、「ク ヘ ヨルム(あの年の夏)」も、コーラス3名、キーボード2名、ギター、ベース、ドラムという構成のバンドによる生演奏。8月31日に日本ベストアルバム『BEST OF INFINITE』をリリースしたばかりではあるが、本公演は韓国ライブとほぼ同じ進行、韓国語曲メインで行われた。

オーガニックな雰囲気の『あの年の夏』からライブはスタート。ボーカルを聴かせる曲を続けると、キュートなダンス曲『MAN IN LOVE』からテンションが上がり、ライブの定番曲『任せて(マッキョ)』で会場は早くも一体に。

「韓国では3回目、日本では初の『あの年の夏』。ワクワクして夢のよう」というソンヨル。トークパートに入ると、INFINITEらしいワチャワチャ感がいっぱい。韓国のダンスバトル番組で活躍中のホヤに「最近、話題の中心のホヤさん、ダンス見せて!」とウヒョンが無茶ブリ。その後もドンウ、エルが次々踊らされるが、各人、キャラに合ったダンスでファンを笑わせる。

前半のハイライトは、なんといっても、アコースティックメドレーだ。『COVER GIRL』でソンヨルは客席にマイクを向け、日本オリジナル曲『24時間』(韓国では、韓国語で披露された)では、ウヒョンがサビをファンに歌わせ満足そうに大きなサムズアップを掲げる。

『Come Back Again』ではファンから大きな「トラワ(戻ってきて)」コーラスが上がり、『白い告白』ではソンギュとドンウがじゃれ合い、ソンギュは自分のパートまでドンウに歌わせる。

ソンヨルの「インスピリット(ファンの総称)、超大好き!」、ウヒョンの「サランヘ!」の声にファンの歓声が上がった。

インターバルの映像も毎回凝っているが、今回メインになったのが、『3分カレシ』。韓国のコメディ番組「SNL KOREA」の人気コーナーのパロディで、モテない主人公がインスタントのパッケージを3分電子レンジにかけるとパッケージに描かれた人物が出来上がるというもの。

メンバー7人が、「イケメンのカレシ」エル、「人懐こいカレシ」ウヒョン、「タフなカレシ」ソンヨル、「優しいカレシ」ドンウ、「ボーカルカレシ」ソンギュ、「ラッパーカレシ」ホヤ、「年下のカレシ」ソンジョンに扮して、濃すぎ、やりすぎなカレシを熱演! 会場からも大爆笑が沸き起こった。(ちなみに「リッチなカレシ」のパッケージに写っていたのは、彼らの事務所の社長です)

中盤は、ソロ・コーナー。トップバッターのエルは、大ヒットドラマ『応答せよ1988』で再注目されたイ・ムンセのバラード曲『少女』を自身が撮影した風景写真をバックに伸びのある声を響かせ、ボーカリストとしての成長を印象付けた。

ソンジョンはジャスティン・ビーバーの『BOYFRIEND』をカヴァーし、ダンサーと共にキレのあるパフォーマンスを披露。ウヒョンは5月にリリースした初ソロアルバム『Write..』に収録されている自作のバラード曲『STAND BY ME』を熱唱し、ホヤはJay ParkのR&B曲『サシルン』を華やかなダンスとともに、ソンギュは自身のソロ曲『ALIVE』を前半はピアノの弾き語りで披露し、大きな拍手を集めた。ドンウは事務所の練習生ウンビをボーカルに迎え、軽やかなラップが映える悲しみと美しさが共存した自作曲『マウメムッタ』を披露した。

ウヒョン、ソンギュは自身のアルバム収録曲であるが、今回の「ク ヘ ヨルム(あの年の夏)3」が初のパフォーマンスとなる。ドンウの曲も初披露曲だが、最後の彼の言葉とシンクロするような楽曲で、後からさらに心に響いた。

しかし、このコーナーで最も注目を浴びたのは、なんといってもソンヨルの『PICK ME』だ。韓国の人気女子アイドルオーディション番組『Produce101』から生まれたノリノリのEDM曲。ずっとProduce101と同じ女子高生の制服と日替わりのウィッグの女装でファンを楽しませていたが、この日はホットパンツにバットを振り回し、映画『スーサイド・スクワッド』のヒロイン、ハーレイ・クインのなりきりコスプレで登場し、大いに盛り上げた。

後半は、軽快な『SHE’S BACK』からスタート。『NOTHING’S OVER』では恒例のHOYAコールで盛り上がり、ウヒョンの「大好き? チューしちゃうぞ!」という彼らしい合いの手も。

今回のライブでは、「ファンと近づきたい」という趣旨で、ファンからの質問に答えるコーナーも設けられた。開場前にファンが付箋に質問を記入。ホワイトボードいっぱいに貼られた質問にメンバーたちが答えていくのだが、「ドンウ君の好きなアニメのキャラクターを教えてください」という質問には、アニメ『ONE PIECE』のキャラクターを次から次へ挙げる。「エル君、今日1番の笑顔を見せて」というリクエストにエルがかわいいエクボくっきりの笑顔で応えると会場からは黄色い悲鳴が。

ホヤは韓国公演で初披露した自作曲『ONE DAY』のリクエストに応えると、未発売の曲ながら会場からコーラスの声が響き、ホヤも満足気な顔を見せた。

「ピカチュウのモノマネをしてください」という無茶ブリをされたのは、ソンギュ。メンバーたちが大いに盛り上げたが、「ピ…、ピカ…」というカワイ気のないピカチュウに会場は大爆笑に包まれ、INFINITEらしいバラエティ力を発揮するコーナーとなった。

ラストスパートは、発売初日にオリコンデイリーチャートで1位を獲得した最新アルバム『BEST OF INFINITE』のアルバムアートワークと同じ黒の衣装に着替えて、日本語曲パートに突入。アルバムに初収録された『PARADISE(JP ver)』、そして彼ららしいシンクロダンスが特徴の新曲『D.N.A』は、今回のツアーが初披露となる目玉曲。ラストの『BAD』では、ソロダンスが日替わりで行われるが、この日はソンヨルが担当し、本編が終了。

彼らのデビュー曲『Come Back Again』の歌詞を用いた「トラワ(帰ってきて)コール」が響く中、全身真っ白な衣装でアンコールに登場した7人。「ク ヘ ヨルム(あの年の夏)3」のために作られた新曲『あの年の夏 2番目の話』(久々のSweetune曲!)では、当時メンバーたちがギャグとしてよく使っていた、エルが出演した日本のドラマの中国語のセリフ「ウォチャイチョリ(僕はここにいる)」に歌詞を替えるおふざけからスタート。こういう、メンバー同士のちょっとした遊びや、椅子に座って歌う演出なのに、ホヤがひとりでダンスを楽しんいたりする自由さもINFINITEらしさ。

そして、最後の挨拶でもINFINITEらしさで会場が満たされる。「今日、楽しんでステージができました。これからもずっとみなさんとステージを一緒に作りたい。今日もみなさんの夢で逢いましょう! 大好き!」とソンジョンがかわいらしさを炸裂させた。エルが「後半でヒザを痛めてダンスが上手くできなくてゴメンなさい」とファンに詫びると、ファンから大きな「ケンチャナ(大丈夫)」コールが上がり、ウヒョンは「ダンス担当は別にいるから、大丈夫」と、それを笑いに変えてくれる。「明日ゆっくり休んで、残りの公演頑張ります。これからもずっと傍にいます。みなさんも僕の傍にいねて」というエルの言葉には「キャー」という大歓声。

いつも笑顔、ムードメーカーのドンウは「僕にとっての理想の父親像は、僕の父。僕も父のようになりたいし、父のような素敵な人生を歩みたい。父は今、入院していて具合が悪いんです。人にはそれぞれの寿命があるけど、父はそれが少し早いようです。今日、一瞬一瞬、燃え尽きることができました。みなさんと会う瞬間すべてが大切。そう思えるようにしてくれた家族と、INFINITEメンバーに感謝したい。みなさんも今を楽しんで! 明日は明日です。今は今。本当にありがとうございます」と突然の告白。

それをきいて、ウヒョンは「ドンウはお父さんのことで辛い思いをしてるのに、コンサート中や僕たちの前ではいつも笑顔。胸がしめつけられる。元気を出せるように、大きな拍手をお願いします。人は誰でも痛みを抱えている、それを分かち合って、一緒に乗り越えていくことが大事。僕たちはみなさんを心の支えに打ち勝ち、頑張れる。だからみなさんも大変なときは、僕たちの寄りかかって頼ってほしいです」と、すべてをファンに正直に伝えた。メンバーを気遣い、ファンに心からの愛を伝えるのもINFINITEらしさだ。

「雰囲気が沈みましたけどドンウさんが“今、この瞬間を楽しもう”と言いましたよね。みなさんに僕が伝えたいのは僕のソロ曲“PICK ME”で、“ジャンプして!”ってこと」とソンヨルがすかさず空気を変える。

「ドンウさんがエネルギーをもらえるように、全員で今、ジャンプして!」とファンと一緒にジャンプ。「家に帰ったらSNSにソンヨルがジャンプしてって言ったらジャンプしてねって書き込んでください」と笑わせ、ソンギュとホヤは、『24時間』や『BACK』の日本語歌詞をセリフのように読み上げてさらに笑わせる。

ホヤは「日本でライブをするたびに、楽しさ、感想、幸せといった様々な感情が沸き起こり、学ぶことが多い。みなさんは僕らにとって、学校のようで……」と話し始めると、エルが「あの〜ホヤさん、面白くないです」とツッコミを入れ、それを見ながらソンギュがファンを上手く盛り上げるのもINFINITEのチームワークであり、ファンとの自然な一体感を感じさせるもの。INFINITEにとってファンとは一番近い存在、一番の友だちのようなものなのだ。なかなか日本活動ができなくても、ライブで愛を倍返ししてくれるINFINITE。この距離感、このストレートな愛を知ってしまうとINFINITE沼にハマってしまうのだ。

ラストソングとなった『As Good As It Gets』では、前方のファンとハイタッチ。客電が上がり明るくなった会場を愛しそうに見つめながら歌うINFINITEメンバーたちの表情が印象的だった。

本国ライブでは、日替わりで楽曲を1曲替えたが、日本公演は日本オリジナル曲『LOVE OF MY LIFE』に固定されたのが残念だが、アンコール含め23曲、約3時間の濃密な時間となった。新しいグループが次から次へと出てくる中で、「INFINITE健在!」と、改めて感じられるライブだった。

なお、本ライブでもカムバックティザー(予告映像)が流されたが、INFINITEは9月19日に韓国で新曲をリリース予定。実に1年超ぶりの韓国活動にも期待が高まる。

※ライブ翌日の9月2日に、ドンウのお父様が亡くなれました。ご冥福をお祈りいたします。

★雑誌『韓流ぴあ 10月号』(9月21日発売)の表紙はエルです! お楽しみに!!