賀茂別雷大神が降臨した神山を模したと言われる立砂と重文の細殿

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神代の昔、本殿の北北西にそびえる神山に賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)が降臨し、天武天皇の時代に現在の地に社殿を造営したとされる京都最古の神社。賀茂別雷神社とも呼ばれ、厄よけ、必勝の神として古くから信仰を集める。国宝の本殿・権殿をはじめ、境内には40棟以上の重要文化財があり、また百人一首にも詠まれた“ならの小川”など見どころも多い。紫式部がお参りしたことにあやかって縁結び、恋愛成就を求めて参拝者が訪れる。

■ 文化財

<本殿(国宝)>三間社の流造に屋根は檜皮葺で流造の代表建造物

<権殿(国宝)>本殿と同じ三間社の流造。本殿が非常の場合に神儀を遷す御殿として建てられた。

<細殿(重要文化財)>1628(寛永5)年造替。細殿前には神山をかたどった円錐形の立砂がある。

<舞殿(重要文化財)>境内を流れる御手洗川をまたぐように立つ。

■ ご利益▼厄よけ、縁結びなど

<立砂>細殿前に造られた円錐形に整えられた砂。賀茂別雷大神が最初に降臨した神山を模して造られたと言われ、災いよけの効果があるとされる。

<片岡社>賀茂別雷大神の母君の玉依比売命(たまよりひめのみこと)を祀った社。縁結びの神様として知られ、紫式部もお参りした。

<神山湧水>手水舎の水は神山をくぐってきた伏流水。

■ ライトアップ

夏に上賀茂神社アートプロジェクトを実施。地元の小学生が描いた行灯(あんどん)が境内や周辺を照らす。

■ 混雑状況

<昼>桜や紅葉、各種神事の時は混雑。朝の早い時間帯がおすすめ。

<夜>参拝不可。

■ 紅葉

カエデなど。見ごろ11月中旬〜下旬。百人一首にも詠まれた「ならの小川」沿いに紅葉のトンネルができる。

■ 桜

ソメイヨシノなど約300本。見ごろ4月上旬〜中旬。一の鳥居から二の鳥居までの参道のベニシダレなどが咲く。

■ 年中行事

<1月>武射神事/1月16日、裏に鬼と書かれた的を射て年中の邪気をはらう。

<4月>賀茂曲水宴/1182年に神主重保が行ったことが起源の宴。

<5月>賀茂祭(葵祭)/5月15日、京都3大祭の一つ。

<6月>夏越大祓式/6月30日、人形を流し半年間の罪穢をはらい清める。

<9月>賀茂観月祭/月明かりのもと神事のあと、奉納行事を行う。

【関西ウォーカー編集部】