火星と木星の間にある小惑星帯に位置し、その中でも最大サイズとなる準惑星「ケレス」。この冷たくゴツゴツした天体で、NASAの探査機ドーンはエベレストの半分ほどの標高の「氷の火山」を撮影しました。
 
この標高4000メートルほどの氷の火山は「Ahuna Mons」と呼ばれています。その特徴は地球の火山のように岩石のマグマを吐き出すのではなく、低い温度の氷のマグマを噴出していることでしょう。なおこの氷とは水に限ったものではなく、アンモニアやメタンも含みます。
 
Ahuna Monsの表面温度はマイナス40度ほどとなっており、氷はカチカチに凍って山のような形を形成します。また科学者は、この氷の火山が最近形成されたものではないかと考えています。なぜなら、これまでこの火山が地殻変動によって形成されたという証拠が見つかっていないからです。Ahuna Monsの年齢はおそらく10億歳未満で、最後に隆起したのは数百万年前だと考えられています。
 
NASAで研究者を務めるLucy McFadden氏は、「太陽系にてAhuna Monsのような氷の火山は観察されたことはありません。なぜなら、この火山は塩水や泥から成り立っているからなのです。火星と木星の間に位置するケレスは岩石でもなければ氷でもない、とても興味深い天体なのです」と語っています。
 
水星から火星までの岩石からできた天体を地球型惑星、そして木星や土星のようなガスに覆われた惑星を木星型惑星と呼びますが、ケレスはその成り立ちの違いを解き明かす鍵になるのかもしれませんね。
 
Image Credit: NASA
■Ceres has a massive ice volcano that is half the height of Mount Everest
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