建設中断の台北ドーム、市が業者との契約解除を「一時見送り」/台湾

写真拡大

(台北 8日 中央社)昨年5月から工事が中断している台北ドーム(台北大巨蛋)に関して、柯文哲・台北市長は8日、同日までに安全問題の改善などが見られない場合に行うとしていた建設業者・遠雄グループとの契約解除を、一時的に見送ると発表した。遠雄側は7日、市の要求に沿って建設を進める同意書を提出するなど、譲歩の姿勢を示していた。

台北ドームは2012年に工事が開始されたが、2014年12月に柯氏が市長に就任して以来、安全基準をめぐって市・遠雄双方の意見が激しく対立。工事の中断後も交渉は続いたが両者とも譲らず、6月8日には市側が3カ月以内の改善を求める「最後通告」を突きつけた。

だが、7月末に遠雄グループの趙藤雄・董事長(会長)が副市長と会談。市の定めた安全基準の受け入れに同意したこともあり、市側が解約に踏み切るかに注目が集まっていた。

柯氏は、遠雄は善意を示していると評価する一方、市は契約解除をやめたわけでなく、解除の権利を保留しているだけだと強調。もし遠雄側の改善が期待する水準に達しなかった場合には契約を終了するとした。ただ、具体的な期限は提示されていない。

ドーム球場建設の背景には、1991年、プロ野球・台湾シリーズの試合が雨のため一時中断したことがある。ドームを求める声が市民の間で高まったため、行政院(内閣)が同年、建設を指示した。ただ、工事の過程で隣接する史跡と地下鉄で地盤沈下やトンネルの変形などが発見され、安全性に対する懸念が出ていた。

(顧セン、劉建邦、游凱翔/編集:杉野浩司)