不安定な天気、カミナリへの対策をご紹介

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執筆:南部 洋子(助産師、看護師)


最近の気候は、急に竜巻や突風が起こったり、雹(ひょう)が降ったりすることもありますね。その中でも最も身近で怖いのは、カミナリでしょう。

「カミナリに打たれたよう」という表現は、自分に強い衝撃が走ったときのこと表しますが、実際にカミナリに打たれると人間の身体はどのようになるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

7〜9月は多くて、11〜3月は強力

1年で、7〜9月は「夏季雷」と呼ばれカミナリが多く発生しますが、日本海側では、11〜3月頃に「冬季雷」というものが発生します。夏季雷の方が数は多いのですが、冬季雷のほうが100倍以上強力だといわれています。

もしもカミナリに打たれたら…

では、万が一カミナリに打たれてしまうと、私たちの身体はどうなるのでしょうか?

日本でのカミナリによる被害者は、年間20人ほどですが、そのうち70%は死亡しています。ヒトの身体に雷が落ちてしまうと、1000分の1秒という短い間に、電圧にすると200万〜1億ボルト、電流にすると1000〜20万アンペアという大量の電気が体内に流れることになります。

この強烈な電気刺激によって、心臓停止や呼吸停止が起こります。心拍は自然に再開される場合もありますが、再開しなければ死に至ることになります。

落雷の応急処置

落雷の被害を受けた身体は、電気を帯びているようなことはありませんので、直ちに一次救命措置による心肺蘇生を行うことが大切です。AEDを使用しながら、すばやく救急隊を呼んでください。

脳は、電気による外傷で意識がなくなります。脳の損傷が激しいと、昏睡状態に陥ります。もし意識が戻っても、落雷前のことを覚えていなかったり、障害が残ることもあります。

ここまでお話してきたように、落雷には命を脅かす危険もあります。では、このような被害に遭わないためにどうすればよいのでしょうか?

カミナリ対策 その1:雷鳴が聞こえ始めたらすぐに避難!

雷鳴が聞こえたときには、落雷の危険域にすでに入っていると思ってください。建物の中に避難して、外壁から離れ、部屋の中心にいるようにします。雷は、水道管を通ってくる可能性がありますので、軒先などに出るのも危険です。

また、激しい雨が降り始めてから避難するのでは、遅すぎます。

レジャーなどで出かけている場合には、決して傘などは差さず、速やかに自動車の中に避難しましょう。車の中では、中心部に身を寄せて、金属部分には触らないようにします。

カミナリ対策 その2:開けた場所にいた時のポイントは姿勢!

「カミナリが落ちるのは、高い建物」と思っている方も多いでしょうが、必ずしも高い建物だけに落ちるわけではありません。

実は、落雷で死亡事故が一番多いのは、ゴルフ場などの開けた平地です。
2番目は、木の下の雨宿りです。

この2つが全落雷事故死の半数以上を占めています。野外スポーツなどで、大木に雨宿りしていて落雷を受けるケースが多く、過去には、海やサッカースタジアムに落ちたこともありました。

被雷対策のない建物では、外壁を伝って襲ってきます。ビルや高いもの、木からはできるだけ離れるのが得策です。

もし開けた平地にいて、避難する場所がないときには、次のような「雷しゃがみ」という姿勢をとりましょう。

雷しゃがみの方法


1.頭を下にして、抱え込むようにしてかがみ、両手で耳をふさぐ。
2.足の両方のかかとを合わせ、つま先で立つように、かかとを地面から浮かせる。

これによって、万が一雷の電気が足から入っても、地面との接点が小さくなって電気の侵入をできるだけ抑えることができます。もし、電気が侵入しても、片足から反対の足へUターンさせるため、上半身まで流れることを防いでくれます。

そして、雷鳴や稲妻が消えても、30分位は野外での活動を控えましょう。

カミナリ対策 その3:屋内ではここに注意!

雷注意報が出ているときは、屋外に出ないことが一番の自衛手段です。ただ、屋内でも落雷の被害を受けることがあるので注意が必要です。

自宅にいて落雷の被害を受けるのは、直撃雷よりも、数キロ離れたところに落ちた雷が配管などを通って侵入する誘導雷で、パソコンや電子機器、家電製品の基板などを破壊することがあります。そのため、水道配管、電気配線、有線電話、パソコンなど、ケーブルでつながっているものの近くにいるのは避けましょう。

自宅でのカミナリ対策として、延長コードなどの電源タップに避雷器や耐雷サージ機能が内蔵している製品が売られているため、それらを活用するのもよいでしょう。
もしその準備のない場合で雷が鳴り始めたら、電源コンセントは抜いておきましょう。


<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師 株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。
タッチケアシニアトレーナー