中国企業が発表した、15億ドルの宇宙旅行計画

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中国のKuangChi Science社は、気球を高度24kmまで上昇させ、数時間滞在してから降下する「宇宙旅行」事業の技術実験に約15億ドルを投じると発表した。長期的には、地上の監視なども可能な複数の気球で東南アジアの空全体をカヴァーする計画だ。

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2/9コントロールタワー内部のイメージ図。

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3/9気球は、山火事などの天災を監視するのにも使えるという。

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4/9地上の監視も可能だ。

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5/9クラウドから、カプセル「トラヴェラー」(旅行者号)が切り離される。

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6/9成層圏の外へ。

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7/9その後、コントロールされながら降下する。

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8/9

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9/9計画どおりにいけば、KuangChi Science社の気球は東南アジアの空全体をカヴァーするだろう。

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これまで、宇宙旅行サーヴィスとはほとんどが米国を拠点とした事業だった。Virgin Galactic社、XCOR社、Blue Origin社、World View社はすべて、将来の宇宙飛行士たちを米国国土から宇宙──といっても宇宙の入口(成層圏)だが──まで飛行させるさまざまな計画を発表している(日本語版記事)。

しかし今回、中国を拠点にするKuangChi Science社が、この事業に参加する意向を示した。中国東部の杭州市で気球を上げるのだという。

『China Daily』紙の記事によると、KuangChi Science社は「大気圏との境界をわずかに超える、地上から24kmまでの飛行体験を提供する深宇宙ツアー」をはじめとする、将来を見据えた技術実験に約15億ドルを投資するのだという。

ただし専門的に言えば、これはやや誇張した表現だ。「地球の大気」と「大気圏外」との間の境界は、一般には高度100kmのカーマン・ラインとされているからだ。さらに、一般に専門家が「深宇宙」と見なすのは、地球周回軌道を超えた領域である。

KuangChi Science社のウェブサイトには、同社のカプセル「トラヴェラー」(旅行者号)は、「これまでに体験したことのない快適な近宇宙旅行にみなさまをお連れします!」とある。トラヴェラーは宇宙線を遮断するため、「神舟5号」(2003年に打ち上げられた中国初の有人宇宙飛行船)のカプセルと同様の「気密設計された船室」を基にしている。さらに、その設計は乗客の快適性を保証し、「リムジンカーに腰かけているように感じられる」という。

KuangChi Science社の飛行システムでは、気球プラットフォーム「クラウド」(云端号)が使われる。実際の有人飛行では、クラウドでトラヴェラーを高度24kmまで上昇させたあと、トラヴェラーがその場に2〜3時間滞在し、降下を始める予定だ。

どこかで聞いたような話だと思う人もいるかもしれない。それはおそらく同社の構想が、アリゾナ州ツーソンに拠点を置くWorld View社の計画を基にしたと思われるからだ。同社の計画では、加圧した船室で6人の乗客を高度30kmまで上昇させ、そこで数時間滞在することになっている(同社は2014年に1/10サイズの気球のテスト飛行(日本語版記事)を行っている)。

World View社の計画には、マーク・ケリーやロン・ギャランなどの有名な宇宙飛行士が参加している。ただし、World View社は最近、乗客を飛行させるよりも、最大高度46kmまでさまざまなペイロード(センサー、望遠鏡、通信アレイなど)を送り込む「ストラトライト」(stratollite)と呼ばれる飛行システムに重点を移し始めているようだ。

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