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鍼灸師・若林理砂さんが、あなたの近くにいそうなキャラたちの健康相談に答えるこの連載。第8回は、腰痛に悩まされているプログラマーさんです。

男性、30代、プログラマ
連日、PCで長時間にわたって作業する。集中すると長い時間やり続けられる。腰痛はじめ体の痛みに悩んでいる。 。

○本日の患者さんの悩み「マッサージを受けても腰痛が治らない」

「先生、何回マッサージに行っても、すぐ腰が痛くなってきちゃって困ってるんです……。最近、そこに行く時間が勿体無い気がしてきて。気持ちいいんだけど、結局すぐ元に戻っちゃうし」

ああ、私の患者さんも同じような話、よくしていますよ。お仕事はプログラマさんですね。じゃあ、ほとんど一日中、デスクに座ってる状態ですか?

「はい、大体そんな感じです。1日10時間ぐらい座ってる時も多いですね。基本、人と話さないし」

別のプログラマの方から聞いた話ですけど、隣の席の人に声かけるのも、社内LANのチャットで済ませたりするんでしょう?なんだか声帯もなまってしまいそうな感じですねえ。あんまり話さないでいると、喉の筋肉も弱っちゃうんですよ。

「へー、なんかわかりますそれ。納期近くで本当に人と話さないでいると、コンビニに買い物に行った時も声が出にくかったりするもんなあ」

あははは……って、笑い事じゃないですよそれ。ずっと座りっぱなしでしゃべりもしないっていう今の生活の仕方だと、喉の筋肉だけじゃなく、体全部の筋力が衰えてくるってことなんですよ。だって、座ることにしか体を使っていなかったら、それ以外に使う筋力は衰えてしまうでしょう? 寝たきりならぬ、座りっきりで筋力が退化してしまいます……。

○実は腰にとってつらい「座る」姿勢

「うわー……。だけど、座ってるんだから、腰にかかる負担は少ないんじゃないんですか?」

みなさん、結構勘違いなさっていらっしゃるんだけど、座っている姿勢が一番腰には負担が大きいんですよ。負担ゼロになるのが寝ている時、その次が立位、一番負担がかかるのが座位! つまり座っている時なんです。立位で体重の1.5倍の負担、座位で2倍の負担とされているんですよ。

「え、そんなに?!でも、腰に負担がたっぷりかかってるはずなのに、座ってる時に使ってない足とかも痛むんですが……?」

それは、 座位で部分的にしか体を動かさないからです。筋肉の硬直がひどくなって痛みが起こるんです。

ずーっと、キーボードを打つためだけにしか筋肉を使ってないでしょ? そうすると、だんだん肩が上がってきたり、姿勢全体が崩れてきたりして、ますます体のごく一部だけが酷使されていって、現在のあなたのような状態のできあがり!ということになるわけなのです。

○デスクワークのコリは「立ち上がって」防止

「そんなぁ…いったいどうしたらいいんですか?」

こういう状態を防止するためには、オフィス内で1時間に1回程度立ち上がって歩くことが大切だったりします。

「えっ、そんなちょっとしたことでいいんですか?」

実は、きちんと厚生労働省の指針として明確に発表されてるんですよ。1回の連続作業時間は1時間を超えないように、間に10から15分の小休止を挟むこと……って。

ほとんど守っていらっしゃる方なんていないと思いますけれども、これを守るだけで、だいぶ体の痛みは減ります。小休止の間、ちょっと遠くを見たり、体を動かしたりすることも推奨されています。

○下手なストレッチよりはラジオ体操

「そういえば俺、腰をなんとかしなきゃと思ってストレッチした時に、逆に痛めちゃったことがあって……」

その時、強めの反動をつけて伸ばしたりしてませんでした? ストレッチはきちんとした指導を受けて行わないと、関節や筋肉を壊してしまうことが多々あります。一度パーソナルトレーナーに見てもらうのが一番いいんですけど、そんな暇ないって方は、ストレッチより軽い歩行やラジオ体操の方が良かったりします。

「そうなんだ…。あ、そういえば、体を痛めてから、定期的にマッサージ店に行くようになったんでした」

体がこったらマッサージでもみほぐすって言いますけれど、結局のところ、自分でラジオ体操をやるのと効果は変わらないんですよ。

「ウソだ、やってること全然違うじゃないですか」

マッサージでなぜコリがとれるかというと、施術者が筋肉を圧迫したり動かしたりして、血流を増やして還流させているからなんです。血液の還流って、自分でやるとしたら筋肉の収縮と弛緩の繰り返しを一定時間続けること……つまり、ラジオ体操でいいんですよ。

○自分で血流を改善させるために

「なるほど、そうなんですか……なんか、身も蓋もない感じですけど、マッサージに行くくらいなら、少し自分で動けってこと?」

はい、その通りです。その上でできることとしたら、入浴とペットボトル温灸ですね。

ものすごくアバウトですけど、夜必ずバスタブに入って、寝る前、いつも痛くなる場所に軽く温灸を施すだけでいいです。これは、ツボとか関係なしに、単純に血流を改善させる方法です。ペットボトル温灸の行い方はこちらを見てください。

私もモノ書きをし始めるとあちこち固まりやすくなるのですけど、必ず1時間に一度は別の作業を挟んで強制的に体を動かしています。なんでもいいんですよ、トイレに行くとか、給湯室に行くとかでも。

お大事に! 養生してくださいね。

(若林理砂)