「医療不信ブーム」に踊らされるな! “賢い患者”になるための3か条

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 今、「医療不信」が話題だ。各週刊誌で取り上げられ、賛否を巻き起こしている。そんな過熱する「医療不信」報道に踊らされないためにどうすればいいのか。まずは「副作用が危険」の認識を改めることが望ましいだろう。

「たとえ世界中で1例しかないような副作用でも、製薬会社は副作用と記載している。そのくらい厳格に薬のリスクは管理されている。過剰な心配は無用です」(五本木クリニック院長の桑満おさむ氏)

 そもそも体に優しいとされる「漢方薬にも、最悪の場合、死ぬような副作用もある」(内科認定医の高橋宏和氏)ほどだ。

「また、クレストールが横紋筋融解症を引き起こす可能性があるとされていますが、これは1000人に1人という極めて低い確率。しかも横紋筋融解症を起こすのはクレストールだけではない」(同)

 これ以外にも「ロキソニンも消化器官への負担が大きいとの噂がありますが、長期連用を避ければリスクは低い」(同)など、危険とされているが、実は安全な薬は存在するので、そのリストと詳しい解説は下記の<本当は危険じゃない薬>の一覧で確認してほしい。

◆情報過多だからこそ専門家への相談が必要

 また、情報の取捨選択も欠かせない。身近なネットとはどう付き合うべきなのか。

「個人サイトなどは誰でも作れてしまうし、間違った情報の訂正もなされないことが多い。たまたま検索の上位に引っかかった記述を素直に信じるのは最も危険です。がんの場合なら『厚生労働省』や『癌研有明病院』、『国立がんセンター』といった公的な団体のサイトで確認すべきです」(高橋氏)

 また、信頼できる主治医を見つけることも大事だ。セカンドオピニオン活用も視野に入れていこう。

「医療記事で気になるところがあったなら、すぐに主治医や専門家に判断してもらいましょう。患者は一人ひとり違う存在であり、薬の効果も専門家が個別に判断する必要があります。それでも不安が拭えないなら、セカンドオピニオンを利用し、納得できるまで受診しましょう」(内科医のNATROM氏)

 医療や医師に対する不信感を持つこともあるかもしれないが、そんなときこそ基本に立ち返り、自分自身が納得できる医療を受けられるように心がけたい。

<賢い患者になるための3か条>
1.すべての薬には副作用があると心得よ
2.ネット情報は最も危険。ソースは公的な団体に
3.不安事は主治医に相談。納得できるまで受診を

<本当は危険じゃない薬>

●高血圧・高コレステロール「クレストール」…「横紋筋融解症の危険性があるとされるが、リピトールやメバロチンでもリスクは同等。これだけをとりあげる意味が不明」(高橋氏)

●頭痛・関節痛「ロキソニン」…頭痛や生理痛を抑える鎮痛剤としても有名。「長期で飲み続けるのは危険だが、適正量を飲む分にはリスクは低いと言えます」(高橋氏)

●心筋梗塞・脳梗塞「プラビックス」…「血液をサラサラにする薬と知らずに手術し、出血死したとあるが、医師は患者の服用薬を必ず確認する。到底信じられない」(高橋氏)

●糖尿病「アクトス」…発がん性が指摘されているが、「アメリカでの訴訟で関係は認められなかった。そもそも処方自体、ほとんど見ない古い薬」(桑満氏)

●うつ病「パキシル」…副作用が強いとあるが、「他の薬と多剤併用されている現状自体が問題。この薬自体は処方の上限を守れば危険ではない」(桑満氏)

●花粉症「ケナコルト」…注射時の副作用が強いとあるが、「標準は数年かけて花粉エキスを投与する『減感作療法』で当初の予想より副作用も少ない」(桑満氏)

【桑満おさむ氏】
五本木クリニック院長。’86年、横浜市立大学医学部卒業。同大学病院勤務を経て現職。地域に密着した診療の傍ら、ニセ医学に関するブログを執筆

【高橋宏和氏】
内科認定医。大学院修了後、松下政経塾などを経て、松戸神経内科・JCHO東京高輪病院勤務。著書に『3分診療時代の長生きできる受診のコツ45』

【NATROM氏】
内科医。医学部卒業後、大学病院勤務などを経て市中病院勤務。匿名ブログ「NATROMの日記」が話題に。著書に『「ニセ医学」に騙されないために』

取材・文/SPA!医療不信問題取材班
― 過熱する[医療不信]が危ない! ―