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 昔、子供たちがこっそりいたずらをすると、「お天道さまが見ていますよ」と祖父母からたしなめられたものです。今はそのような言葉も聞かれなくなりましたが、「良いことも悪いことも、自分の行いは天から見られている」ということを、常に心に刻んでおくことは、とても大事なのではないでしょうか。因果応報の理を説いた古代中国の物語をご紹介しましょう。

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 明朝の頃、孫厚(そんこう)という知識人がいました。彼は非常に貧しかったため、裕福な家に身を寄せ、書き物の模写などをして暮らしていました。

 ある夜、この家の下女がこっそりと孫厚の部屋に入ってきました。若くて美しい下女は、彼と一夜を共にしたいと懇願します。これは二人だけの秘密ですよ、と言って彼女が近づいてきましたが、孫厚はきっぱりと断りました。孫厚は彼女を叱責すると、すべての人間の行いは天に見られているという道理を話し、引き返すよう諭しました。

 その時、この家の住み込みの教師が孫厚と下女の会話を聞きつけました。教師は下女を呼ぶと、自分の部屋に来るよう言い付けました。二人は一夜を共にしました。

 しばらくの後、教師は原因不明の病に倒れ、痛みに苦しみながら亡くなりました。孫厚は因果応報であることを知っていましたが、誰にも話しませんでした。その後、彼は亡くなった教師に代わりに、この家で生徒たちに教えることになりました。

 ある日、孫厚の叔父が訪ねてきて、自分が見たという夢を話してくれました。それによると、孫厚の人生は46歳で餓死する運命だったのですが、彼の色欲に負けない強靭な道徳心を見て、天人が彼の寿命を24年伸ばし、福を与えることにしたというのです。

 その後、孫厚が教える生徒の人数はますます増えていき、彼らの月謝のおかげで大変裕福な生活を送りました。彼は苦しむことなく、70歳でその生涯を閉じました。

(翻訳編集・郭丹丹)