読者と作る「私だけの旅、聞いてください!」Vol.007/熱海の魅力、語ります【前編】

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【毎週水曜 6:00 更新】
旅を愛してやまない普通の女性たちに、旅について座談会をしてもらうこの企画。今回は、熱海で暮らす豊田ちほさんと、市来治子さんが登場。移住するほど愛する「熱海」ってどんなところ? 前編ではまず、熱海の魅力を聞きました。



豊田ちほさん

約2年前、東京から熱海に移住し、現在はRoCA晴の店長。包容力のある温かな人柄で、町の人に親しまれている



市来治子さん

熱海でまちづくりを行う旦那さんとの結婚を機に、およそ7年前に熱海へ。RoCA晴のサブ・マネージャーで1児の母





豊田さんと市来さんは、出勤前後に海の表情を眺めてほっとするそう。

◆どうして熱海に移住したの?
きっかけを教えてください

豊田「東京で会社員をしていたんですけど、ずっと仕事をやめたくて…。マクロビの学校に通っていたこともあって、食に関する仕事をしたいと思っていたんです。

そんな時に湯島神社で、“私の行くべき道を教えてください”ってお願いしたんです。そうしたら次の日にリストラにあいまして(笑)。それで学生の頃からよく来ていた熱海で今後のことを考えようと思っれ、本でもゆっくり読めるお店を探して見つけたのがRoCAでした」

市来「RoCA晴を運営しているのがmachimoriという会社なんですが、雑貨や食品を販売する市、海辺のあたみマルシェ”もやっていて。これにチーボ(豊田さん)が参加したのがきっかけで、お店のメニューを開発してもらうようになったんです」

豊田「運命というか必然でしたね。治子さん(市来さん)は、熱海駅前のマクドナルドで旦那さんに一目ぼれされたのがきっかけだもんね?」

市来「その話、必要(笑)? まぁ、元をたどれば、大学生のときに友達の地元の熱海に遊びにきたのがきっかけですね。そこで夫と出会って。東京にもフランスにも住んだりしたんですけど、7年前に結婚して夫の出身地、熱海に移住しました」



2人が働くRoCA晴のある銀座商店街は、かつては多くの人々が訪れ賑わった場所。





昭和の匂いが漂う町中は、歩くたびに不思議なときめきを覚える。



情緒ある熱海ラベルのビールは、2人の働くカフェ「RoCA晴」でもいただける

◆熱海の魅力って?
どんなところが好き?

市来「熱海の人って、最初は壁があるんですけど、ひとつ扉が開くともうすごいんですよ(笑)。街にひとり知り合いができたら、全員と知り合いっていうくらいの距離感です。どんどん入りこんでくっていうか、人懐っこい感じ。私はもともと、干渉されるのが苦手だったんですけど、慣れてくるとそれが心地よくてもう抜け出せない。今では、これがないと逆に寂しいくらいです」

豊田「もう住みながらにして、昭和のドラマを見ているような気分だよね。私は、熱海の歴史や背景に惹かれてます。カフェの近くにゲストハウス マルヤがあるんですが、そこのビルのオーナー、小倉さんの街歩きがすごくおもしろくて。なんで温泉が湧き出たかとか、徳川家康や伊藤博文が愛した温泉があるとか、街をよく見ると歴史をいっぱい感じられるんです。かつての政治は、熱海で決まっていたと言われるくらいの土地だったから、連絡が取れるようにと初めて公衆電話が設置されたのも熱海だったりして」

市来「狭い町の中でもしっかりと見つめれば、次から次へとそういうことが出てくるんだよね」

豊田「ただのさびれた街じゃないぜって感じましたね。こんな一面を知ってから、余計に熱海のために何かできたらなって。海もあるし、癒しの場所もある熱海を、東京からいちばん近いハワイにしたいと思っていて。ハワイまで行かずとも、疲れた体と心をリラックスしに来てもらえる場所にしたいですね」



日本初の公衆電話。建物は今も健在!



徳川家康が愛したとされる日航亭は、豊田さんのお気に入りスポット

◆熱海で暮らしてみて
何か変わったことはある?

豊田「自分らしくいられるような気がします。生きることに迷いがなくなった感じですね」

市来「会社勤めのときは、“さぁ仕事だ”っていうスイッチがあったんですけど、今はそのままの自分で働いていられる。こう素直でいられるのは、みんなお世辞も言わないし、うそもつかないからかな。出勤するときに、ふと思うんです。東京にいたときに比べて、今の熱海での生活は幸せだなぁって」

豊田「熱海に来ていちばんのよかったのは、CAFE RoCAに出会えたこと。とくに治子さんと一緒に働けることかな!」

市来「自由に生きてきた2人なので、いろんなところが欠けているんです。だから補いつつやってますが、チーボにはすごい包容力がある。私は“熱海の止まり木”と呼んでいます」

豊田「いえいえ、治子さんのおかけでございます」

市来「こうやって2人でほめ合って生きていくわけです(笑)。熱海では、個性がはみ出る人たちが多いので、そういう人たちには暮らしやすいのかもね〜」



2人に会える場所: RoCA晴

熱海を盛り上げ、町中の再生をめざすmachimoriが、空き店舗をリノベーションして運営。地元の食材や旬野菜を使った料理は、体にやさしいものばかり。今年の7月からは、静岡の農園から届いた無農薬中心の緑茶メニューを用意する。

0557-81-0808
住所/静岡県熱海市銀座町10-19
営業時間/11:00〜18:00 第2土〜24:00
無休
アクセス/JR熱海駅から徒歩15分

WRITING/MAKI FUNABASHI