提供:リアルライブ

写真拡大

 最終兵器といえば、やはりコミックだろうか?

 それとも「グラドル最終兵器」といった、エンタメやスポーツのキャッチだろうか?

 現在ではなかば荒唐無稽な存在として軽く扱われている最終兵器だが、かつては非常に深刻な意味を有する言葉でもあった。かつて、アメリカとソビエト(現在のロシア)が大量の核兵器を保有しつつにらみ合う、東西冷戦の緊張が世界を恐怖させていた時代、最終兵器とはすなわち人類を破滅させる威力を持つ、文字通りの最終兵器だったのだ。

 この、東西冷戦期における最終兵器は基本的に核兵器だったが、大きく分けてふたつの種類がある。ひとつは極めて大きな破壊力を持つ、あるいは全地球規模の放射能汚染をもたらす核兵器で、映画「博士の異常な愛情」や「続・猿の惑星」などでは物語の核心となっていた。もうひとつは単一の兵器ではなく、いわば自動報復システムのようなもので、核による先制攻撃によって指揮系統が壊滅、麻痺した場合でも、自動的に使用可能な全ての核兵器を用いて反撃するというものであった。こちらも映画「未知への飛行」で物語の土台をなしていたほか、小松左京作「復活の日」でも重要な役割を果たしている。

 ただ、いずれも存在が明らかにされたことはなく、過去においても実在したかどうかについては議論がある。まず、極めて強力で深刻な放射能汚染をもたらす核兵器についてだが、ソビエトが1961年に威力を制限して爆発実験を行った通称「ツァーリ・ボンバ」が、もしも計画通りの威力を発揮していたとしてもなお、全地球を破滅へ導くには力不足であり、さらにそれを上回る威力については実現困難とされている。

 もうひとつの自動報復システムについては、先制核攻撃を受けても核戦力を生残させ核攻撃による報復を行う相互確証破壊戦略との兼ね合いで、現在でもなお研究が続けられている。だが、先制攻撃の確認から報復開始に至る判断はもちろん、弾道ミサイルをはじめとする核兵器の発射手順も含め、完全自動化には程遠いというのが実情である。

 ところが、近年は人工知能が急速に発展しており、自動的に敵味方を識別し、状況に応じて攻撃する自律攻撃無人兵器すら、夢物語ではなくなりつつある。また、未確認飛行物体研究家には、既にその種の完全自律制御自動報復プログラムが実用化されており、米軍は大統領の決断によらずとも核兵器による報復が可能と考える者さえいるのだ。

 はたして、ゲーム「メタルギアソリッド」に登場したような、人工知能による核攻撃の危機に、人類が直面する日は来るのだろうか?

(了)