リオパラリンピック:知っておきたいバスケットボールの基礎知識

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車いすを自在に操り、激しくぶつかり合う姿が迫力満点の車いすバスケットボールは、パラリンピック競技の中では一二を争う人気種目です。世界での競技人口は10万人以上にのぼり、日本でも車いすバスケットボールの世界を描いたマンガ「リアル」(井上雅彦作・集英社)の影響もあり近年注目を集めています。

■ 車いすバスケットボールの歴史

第二次大戦で多くの人が負傷したことをきっかけに車いすスポーツが生まれ、バスケットボール発祥の地アメリカでは1950年頃から車いすバスケットボールが急速に発展しました。やがてリハビリの方法として世界に広まるにつれ、競技スポーツとして盛んになりました。日本では1967年に初めてクラブチームが作られ、70年代には全国大会が行われるようになりました。その後組織化が進み、2016年時点で78チームが連盟に加盟しています。パラリンピックの競技としては1960年のローマ大会から採用されています。

■ 車いすバスケットボールのルールとは

基本的には一般のバスケットボールのルールが適用され、1チーム5人でコートの大きさもゴールの高さも同じです。車いすバスケットボール特有のルールとしては次のようなものがあります。

・トラベリング
車いすを手でこぐことをプッシュといいますが、試合中のプッシュは連続2回までと決まっています。3回以上した場合は相手チームのスロー・インとなります。

・転倒
試合中に転倒した場合、まずは自力で起き上がることが求められます。起き上がれない場合は審判が試合を中断することがあります。もし転倒した人がボールを持っていれば相手チームのスロー・インとなります。

・ダブルドリブル
ダブルドリブルのルールはなく、2回以内のプッシュでドリブルを続ければまた移動してもよいことになっています。

・持ち点制度
障がいの程度により選手は0.5点刻みで1.0〜4.5点までのクラスに分類され、障がいが軽いほど点が高くなります。出場選手5人の合計は14点以下と決められているので、どの選手をいつ起用するか試合の戦略にもなっています。

■ 競技用の車いすの特徴

競技用の車いすは一般の車いすとは異なり、タイヤは「ハ」の字形で旋回しやすく、転倒防止用の小さい車輪と防御用のバンパーがついています。また、固定ベルトや座面など各選手に合わせて調節されます。軽量で振動を吸収しやすく、接近戦に耐えられる強度をもつように素材も工夫されています。

■ リオパラリンピックでの見どころ

車いすバスケットの出場国は12カ国。2グループに分かれて他のチームと1試合ずつ戦い、上位4チームずつ計8チームが決勝トーナメントに進めます。日本は男子のみの出場でトルコ、スペイン、オランダ、カナダ、オーストラリアと同じグループで予選を戦います。日本チームは1976年から連続で11回目の出場となり、これまでの最高は7位です。2012年ロンドン大会は金メダルがカナダ、銀メダルがオーストラリア、銅メダルはアメリカでした。

■ 注目の日本人選手

◎ 香西宏明(こうざいひろあき)選手

1988年神奈川県生まれ。先天性の両下肢欠損で、車いすバスケットボールを始めたのは12歳の時。パラリンピックは北京大会から出場し、アメリカ留学時代には全米大学リーグのシーズンMVPを2年連続で受賞するなど世界も注目するプレーヤーです。クラスは3.5。

◎ 鳥海連志(ちょうかいれんし)選手

1999年長崎県生まれの17歳でチーム最年少の現役高校生です。先天性の障がいのため3歳で両足を切断。しかし中学1年のときに車いすバスケットボールと出会って以来急成長を遂げ、わずか3年で代表候補の合宿に呼ばれるまでに。天才とも呼ばれる彼のスピードとディフェンス力から目が離せません。クラスは2.0。各プレーヤーがそれぞれの役割を担って、プレーを連携させるのも見どころですよ。前回メダルを獲得した強豪国にどこまで日本が食らいついていけるのか…。まずは予選突破、そして上位入賞を期待しましょう!

(image by photo AC)
(著:nanapiユーザー・sabbia 編集:nanapi編集部)