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9月2日に行われた、アドビ主催のクリエイター向けイベント「Adobe MAX Japan 2016」。米サンディエゴで行われたイベントを日本向けに開催するもので、今年も盛況のうちに幕を閉じた。

ブレイクアウトセッションでは、アドビが近々開始を予定している「Adobe Stock」の新制度について、同社の栃谷宗央氏と青野薫子氏によるプレゼンテーションが行われた。

○Adobeのストックフォトサービス、2年越しで素材販売を解禁

「アドビツールを「使う側」から「使われる側」に。Adobe Stockで高収入を得る方法」と題して行われた本セッションでは、アドビが2015年から提供を開始している「Adobe Stock」の新サービスについての説明が行われた。

「Adobe Stock」は、「Photoshop CC」や「Illustorator CC」などアドビのCreative Cloudユーザー向けに提供しているストックフォトサービス。同社の主要アプリと連携して利用でき、現在、およそ5,500万点の素材が提供されている。

アドビによると、Creative Cloudと直接連携して使える「Adobe Stock」は、デザインの業務効率を大幅に上げると好評で、デザイン、ウェブ、印刷会社の購入者が全体の61%を占め、プロのクリエイターの間に浸透しているという。

そして、今秋にも開始が予定されているのが"コントリビューター"サービスだ。コントリビューターとは寄稿者のことで、ユーザーは素材を購入するだけでなく、「Adobe Stock」を通じて販売者にもなれるというものである。

Creative Cloudユーザーにとっての「Adobe Stock」のメリットは、ユーザーは素材のライセンスを取得しなくても、プレビュー画像でクリエイティブワークを行うことができる点だ。

つまり"アタリ"画像を使って作業やイメージの確認ができ、ユーザーは最終的にライセンスを取得した後に本画像へ、ソフト上の操作だけで差し替えることができるのだ。クリエイターは素材を決定・購入する前に多くの種類を試すことができ、さらにプレビュー画像で加工した作業もそのまま活かすことが可能なため、業務効率もコストも軽減できる。

コントリビューターの新サービスは既に海外では開始されているが、栃谷氏によると登録者の数は日本よりも北米やヨーロッパが圧倒的とのことだ。また、2020年に東京五輪の開催を控える日本をテーマにした素材は海外からの需要が今後高まっていく可能性が大きく、「大きなビジネスチャンスである」と栃谷氏は参加を促す。

○これからニーズが高まりそうな素材は?

一方、コントリビューター登録の条件は、まずは18歳以上であり、アップロードするファイルの唯一の著作者であり、作品内に描写される製品、人々、不動産などのすべての要素について権利を所有しているか、許諾を得ていることが挙げられた。コントリビューター申請はポータルサイト上で近日中にも公開される予定だ。

また、気になる報酬率については、画像素材が33%、ビデオ素材が35%。報酬額が50ドル以上に達した場合に支払われるとのことだ。

栃谷氏と青野氏によると、人気や需要が高い作品は、まず「日本の観光地」。中でも「日本の観光地を外国人が訪れているような風景のものが、今後ニーズが高まりそう」とのこと。他にも、高齢者をモデルとしたものや、医療関係、食材・料理、テクスチャーなども売れ筋だという。

さらに、「以前はストックフォト用に作り込んだ素材が求められたが、最近は日常的な自然体の描写や風景が求められる傾向にある」とのこと。

その他、栃谷氏からはTIPSとして「Adobe Photoshop Lightroom CC」には、"Publish Service"の項目に「Adobe Stock」が追加になることが明らかにされた。これにより、作品の投稿もソフトから直接可能になり、コントリビューターの利便性が向上する。

コントリビューター申請の受付開始など最新情報は、「Adobe Stock」のFacebookページやブログ、ニュースレターで配信していく予定だということで、「ぜひ今から投稿する作品の準備を始めて欲しい」とセッションが締めくくられた。

(神野恵美)