小林悠(撮影:岸本勉/PICSPORT)

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本田圭佑に代わってピッチに入ったのが85分。アディショナルタイムの4分を入れても9分間のプレーだった。そんな短い出番を終え、記者たちの前に現れた小林悠は、悔しそうな、だがどこか満足げな、複雑な表情をしていた。

今回の代表に召集されたFWは7人。紅白戦の際、小林は1人外されシュート練習をさせられたこともあった。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督からはフィジカルの弱さを指摘されたという。だが、それでも「いつ出番が来るかわからないので」と努力するのが小林のよさだった。

「いやぁ、何もできなかったです」と小林は口を開いた。出場の前は監督から「背後を狙っていけ」と言われたのだが、結局は守備に追われることになった。「もっと長い時間出られるようにアピールしなければいけないと思いました」

小林は前日公式練習で「めげずにアピール」したのだという。そして「自分の良さは出せたし。だから今日使ってもらえたんだと思います。しっかり練習に、モチベーション高く取り組んでよかったと思います」と振り返った。そして出場したことで「やはりフィジカルはもっと伸ばさなければいけない」と感じるようになったそうだ。

小林の複雑な表情は、出場できたことで得られた満足感なのだろうか。そうだとすると、こんな短い出場時間で満たされているようでは、あまりに目標が低くないだろうか。だが、そうではないようだった。

「2試合で特に何もしていないので。でも紅白戦からも外される状況で、それは川崎では感じられないことだと思いますし、そこでもメンタルを保ちながらモチベーションを上げていけたので。そこを今後につなげていけたらいいと思います」

小林が満足げに見えたのは、高い世界を見てそこで鍛えられたことがうれしかったのだろう。10月はさらにモチベーションの高い小林がきっと見られることだろう。

【日本蹴球合同会社/森雅史】