ロシアのYouTuber、教会でのポケモンGOで懲役5年の可能性

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ロシアのYouTuberであるRuslan Sokolovskyさんが、教会の中でポケモンGOをプレイしたという理由で2ヶ月に渡る拘留と5年の懲役を科されようとしています。Sokolovskyさんの行為は、人間の尊厳の否定、憎悪、敵対心を鼓舞するものとしてロシア連邦刑法典第282条に反するのだそう。しかし、これは物議を醸す判決となっています。

■ ロシア国内では判決に対して様々な意見が

教会の中でSokolovskyさんがポケモンGOをプレイするYouTubeの動画は、彼が逮捕される大きな要因になりました。しかし、それに対して彼は「これはナンセンスだ。自分がスマートフォンをいじりながら歩いていただけなのに、誰が怒るべきことなのか?」と、懐疑的な立場を示しています。

Sokolovskyさんの行為は果たして罪を着せられるべきものなのか、激しい議論がなされています。ロシアの宗教委員会のリーダーであるJaroslav Nilov氏は、教会の中でスマホの使用は侮辱行為でないと主張。一方でロシア正教会代表のVladimir Legoyda氏は、ゲームに対してではなくビデオそのものに対して否定的な立場です。Legoyda氏曰く「イタリア地震の被災者をラザニアと表現したフランスの風刺画家Charlie Hebdoのようだ」と、SokolovskyさんをYouTuberでなくブロガーと見なしながら憤りを示しています。

さまざまな意見が飛び交っていますが、Sokolovskyさんは判決に対して抗議の姿勢をとること間違いなさそうです。

■ ポケモンGOはスパイ活動の一環?

ポケモンGOリリース後、裏ワザや珍事件など、ポケモンGOにまつわる話題で持ち切りの日々が続きます。とはいえ、ポケモンGOは全世界で楽しまれているというのは大違い。なかにはポケモンGOに対して否定的なまなざしを向けている国もあります。そして、ロシアもその1つ。

ロシアの一部ではポケモンGOが「悪魔のアプリ」と称されるほど。ポケモンGO開発にはアメリカの諜報機関CIAが関わっていると考えられていて、ポケモンGOで撮られた写真がスパイ目的として利用されるのではという懸念からポケモンGOが配信されていません。軍事機密を守るためにもポケモンGOを禁止しているのです。

しかし、裏ワザを使えばロシア国内でもポケモンGOをプレイできるようです。外国のアカウントを登録して入手することで遊ぶ人もちらほら。Sokolovskyさんもその1人です。

■ 人間の尊厳を冒涜する行為とそうでない行為のボーダーラインとは

Sokolovskyさんの行為は、人間の尊厳の否定、憎悪、敵対心を鼓舞するものとして見なされました。しかし、過去にも同じような事例がロシアには存在しています。2012年、Pussy Riotとよばれるロシアのパンクバンドが、モスクワの救世主ハリストス大聖堂で無許可演奏を行ったことで逮捕されました。この事件は世界に大きな波紋を呼び、被告となったバンドメンバーたちはオノ・ヨーコやRed Hot Chili Peppersら多くのアーティストからの支持を得ました。

たとえポケモンGOが正式にリリースされていない国であろうと、他人に危害を加えなければプレイするのも構わないでしょう。SokolovskyさんはいちYouTuberとして、ファンを楽しませるために教会でポケモンGOをプレイしただけのはず。誰の権利を侵したわけでもなく、世間から「悪い」というレッテルを貼られるなんて不条理にほかなりません。

程度にもよりますが、個人の決めるルールが社会の決めるルールと必ずしも一致しないことがこの事件でよくわかります。それを「仕方ない」と甘受するのか、それとも社会に抗うのかはその人しだい。しかし、法律などの社会の古く凝り固まったしきたりを変えていくためには、社会に抗うことが必要なのでしょう。

(image by YouTube)
(著:nanapiユーザー・mekds 編集:nanapi編集部)