時間を「スローダウン」させる額縁が、大人たちに思い出させてくれるもの

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「スローダンス」と名付けられた“時間をスローダウンさせる額縁“が、Kickstarterで注目されている。中にあるものがスローモーションで動いているように見える錯覚の仕組みと、デザイナーがこの作品に込めた想いとは。

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上の羽根はスローモーションで動いているように見える。だが実際はその逆で、かなり高速で動いている。巧妙な照明と人間の錯覚のおかげで、極端にゆっくりとしたテンポで揺れているように見えるのだ。

デザイナーのジェフ・リーバーマンは、ディスカバリーチャンネルの人気番組「Time Warp」のホストとして、高速カメラを使って弾丸やバレエダンサー、爆発などの現象の物理的特性を解き明かしている。

リーバーマンは自身のデザインスタジオ・Plebian Designで、不思議な視覚効果をもつ大きなインスタレーションなど、錯覚を利用したさまざまな作品を作成してきた。

彼の最新の作品は「スローダンス」だ。クラウドファンディングサイト「Kickstarter」では、「時間をスローダウンさせる額縁」と説明されている。

記事公開時には、キャンペーン終了まで8日間を残して、すでに目標額7万ドルを超える約43万ドルを集めている。

この不思議な額縁の秘密は、光と動きのタイミングを慎重に合わせることだ。木製のフレームの端に隠されているLEDライトが、1秒間に79〜81回の頻度で発光する。あまりに速すぎて、ライトが明滅していることさえ気づかないほどだ。その一方で、フレームの底に設置された電磁モーターが、そのクラッチに刺さっている物体(羽根、葉、花など)を80Hzの振動数で振動させる。

激しく振動している物体に点滅するライトが光を当てるが、照明の変化の速度は物体の動きと位相がずれている。この発光頻度と振動数が完全に一致すれば、物体はまったく動いていないように見えるはずだ。

だがスローダンスでは、動きの軌道のさまざまなポイントで、ライトが物体を照らす。光の当たった状態は一定の間隔で撮られたスナップショットのようなものだが、スナップショットの頻度があまりにも高いため、人の脳はこれを別々の画像ではなく動いている物体だと認識するのである。

この視覚効果は「残像」と呼ばれる。この言葉を聞いたことがないとしても、現象自体は知っているはずだ。映画からパラパラマンガまで、連続する動きの錯覚はこの現象によって引き起こされている。

この額縁を通して物体を見ると、秘められた世界を覗きこんでいるかのような気分になる。動く植物はまるで生きているように見える。

リーバーマンは自分の作品が、ほんの一瞬でもいいから、人々の生活のスローダウンに貢献できればと考えている。「大人になると、不思議に思えるはずのことに無関心になってしまいます。この作品は間違いなく、見た人を不思議な世界に引き込む力をもっているのです」

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