好きな人への嫉妬心や独占欲から脱する方法

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恋愛をすると、相手を独占したい気持ちになり、恋人が異性と仲良くしていると、つい嫉妬してしまうことはないだろうか。しかし、相手に依存する関係では恋愛はうまくいかないし、ワガママを言い過ぎるのも良くないことだと、頭では分かっている人も多いだろう。それでも、恋人に対して嫉妬しやすく独占欲が強い人の場合、そこにはどんな原因が考えられるのだろう? 恋愛恐怖症、心の問題カウンセラーである堀江健一さんに質問を投げかけてみた。

■幼い頃の親子関係による可能性

「人間関係の基礎となるのは、やはり幼い頃からの親子関係です。いつでもお母さんが身近にいて、私を見守り助けてくれる――。そんな安定して、安心できるお母さん(=養育者)との関係を一つの基盤として、大きくなるにつれ周囲の人達とも安心して交友関係を広げて行けるのです」(堀江さん)

「すべての人の嫉妬や独占欲が、この原因とは限らないと思いますが、多くの方にとって親子関係が影響を及ぼすのではないかとは、カウンセリングの経験上思います」と、堀江さんは指摘する。

「では、お母さんが気まぐれな人や日々のストレスで情緒が安定していない人だったり、日によって優しくしてくれたり、つき放されたり、冷たかったりしたらどうなってしまうでしょう? 子供は安定した気持ちでは過ごせなくなってしまいます。いつもお母さんの顔色を見て、怒らせない様にしなくちゃ……と思うでしょう。子供は自分で自分の面倒は見られません。そのため、子供が安心してお母さんと付き合えないと、依存する相手次第で自分の存在が脅かされてしまう感覚が強くなり、大きくなってからも人の顔色を伺い、依存心から抜けられなくなってしまいます。自分だけを見守って愛して欲しい欲求と、拒絶されてしまう恐怖が、頭から離れなくなってしまうのです」(堀江さん)

確かに人間関係の基盤は、幼い頃からの親子関係とよく言われる。特に幼い頃は親の存在が絶対であり、それだけ強い影響をもたらすものだ。となれば、親子関係が原因となって、人よりも嫉妬心や独占欲が強くなってしまう可能性も十分にありえそうだ。

■嫉妬心や独占欲が湧き出る理由

「たまにお母さんにまとわりついて、お母さんとベタベタしている子がいます。それはお母さんと仲が良くて、甘えん坊だからお母さんから離れないのではありません。いつお母さんから拒絶されてしまうかわからないから、不安で離れられないのです。嫉妬心や独占欲の源泉は、そうした依存心と不安感です。ちょっとした相手の行動が、すごく自分を拒否する気持ちの表れではないのかと勘繰ってしまい、もっと自分だけを見てくれるようにして安心したいのです」(堀江さん)

嫉妬心や独占欲が強い人と聞いて、どこか子どもっぽくて、甘えん坊という印象を抱かないだろうか……?

しかし、どうやら原因は性格によるものではなく、「恋人の拒絶が怖いから」という不安感にあるようだ。そう考えてみると、自分の嫉妬心や独占欲が客観的に理解できるかもしれない。

「何も養育者の虐待など、極端な心の傷になってしまうような経験がなくても、自分がまだ幼かった頃、お母さんが夫婦関係や嫁姑問題や、共働きで忙しかったりなど。こうしたストレスが長期にわたり、安心した親子関係を築けなかった方は、嫉妬心や独占欲が過度になってしまう可能性があります」(堀江さん)

■問題から抜け出す方法

では、嫉妬しやすく、独占欲が強い自覚がある場合、そこから抜け出すにはどうしたらいいのだろうか? 

「一番効果的な方法は、大人になってからでも良いから、築けなかった安定した親子関係を再体験することです。抱きしめてもらったり、甘えたりして、お母さんから優しく受け止めてもらうことが出来たら、不安も軽減して行くでしょう。ご両親がいま、安定した精神状態で、心の余裕もあり、元々愛情深い方だったとしたら、それが可能だと思います。それが難しいなら、愛着問題の不安を良くわかっている親切な人や、カウンセラーと交流し、安心感を養い、安定した人間関係を築いて行く訓練のような体験が必要となります。自分の嫉妬心や独占欲がどこから生じ、本当は何を求めているのか、本人の自己洞察も大切です。相手の問題であることまで、自分が悪いのではないか……と思ってしまわないように、少し冷静に分析する習慣をつけることも、大きな進歩につながります」(堀江さん)

親はもちろん、誰か自分の話に親身になって耳を傾けてくれる友達等がいるだけでも、精神的な支えとなるはずだ。心のバランスがうまくとれず、悩んでいる人がいたら、ぜひ参考にしてみてほしい。

「教えて!goo」では「嫉妬・独占欲を押さえる方法」と意見を紹介中だ。

■専門家プロフィール:堀江健一
心理カウンセラー、武蔵小金井にてカウンセリングルーム・エンパシィ開設。平成13年間より心理職に就き、臨床家として1万人以上の相談実績。共感をモットーに相談者の味方になり、深く人を理解できるよう研鑽を積む。HPにて無料性格診断を実施中。

柚木深つばさ(Yukimi Tsubasa)