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アイネットとトライポッドワークスは9月6日、ドローンをIoT基盤として活用したプラットフォームサービスなどの提供に向け、事業提携を行ったことを発表した。

アイネット専務取締役 事業統括の田口勉氏は、「ドローンの操作は現在、人が実際に機体の動きを見つつ行っているが、今後の技術革新により、ITとデータを活用した人の手が介在しないプログラマブルドローンへと進化する。そうなれば、そこから次々と生み出される膨大なデータを処理するデータセンターやクラウド基盤が必要となる。今回の提携は、ソフトウェアが得意な2社が協力して、こうした将来に向けた対応をいち早く行っていくことを目指したものとなる」と、提携に至った背景を説明する。

実際に共同で行っていくビジネスとしては主に以下の4つが想定されている。

1. 映像ソリューション
2. ドローンデータの蓄積
3. ドローン・データセンター
4. ドローンコード開発センターの設立

1つ目の映像ソリューションは、4K画質の映像制作サービスを提供するといったもの。すでにトライポッドワークスでは、教育機関や観光地などと協力してプロモーションに用いる映像撮影に関するノウハウなどの蓄積があり、アイネットでもドローンパイロットのノウハウの習得などを進めていくとする。

2つ目のドローンデータの蓄積は、映像ソリューションなどで得られた飛行データやセンシングデータ、映像データなどをデータセンターにて蓄積し、IoTデータとして再利用することを目指すというもの。データの蓄積を行うクラウドサービス基盤には、アイネットが提供する「Next Generation EASY Cloud」を採用することで、スケーラビリティとセキュリティを確保するという。

3つ目のドローン・データセンターは、ドローンで得られる各種データのデータベース化、保管、編集、配信などを可能とするクラウドデータセンターならびにサービス基盤を提供するもの。将来的には、自動飛行型ドローンの制御を可能とする「ドローン・フライト・コントロール・センター(DFCC)」の設置を目指しており、監視や観測などを人の手を介さないで実現するソリューションの実現などを図っていくとしている。

そして4つ目のドローンコード開発センターは、今後の産業用ドローンの中核技術の1つと見られるドローンコードを活用できる開発者の教育から、実際のドローンの機体制御、VTOL、自動航行、衝突回避などの航行管理アプリケーションの開発、収集・撮影されたドローン映像の解析などを提供することを目指すもので、「これらの環境を提供するということで、実務面でドローンを活用したいという企業に対し、環境やパイロット、映像分析などと組み合わせてさまざまなサービスの提供を行っていきたい」(同)としている。

また、トライポッドワークス代表取締役社長の佐々木賢一氏も、「ドローンの産業活用としては自動化が必要」とし、今回の2社によるアライアンスが、そうした技術の実現に向けた第一歩になることを強調する。「ドローンを機能として見た場合、7割方は飛ぶスマートフォンと言える。そうして考えた場合、搭載されている各種センサから生み出されるデータを統合するクラウド環境が必要であり、解析やビッグデータ処理、そしてそれらの結果を出力するためのプラットフォームが必要となる。ITの世界では当たり前だが、そうした考え方がドローンにも適用できるようになってきた」とのことで、こうした取り組みが各産業界でのドローン活用を後押しするとの期待をのぞかせた。

なお、4つの主なビジネスについては、2016年10月より順次提供を開始する予定。10月より提供されるのは、「映像ソリューション」、「ドローンデータの蓄積」そして「ドローン・データセンター」のデータの保管、編集、配信ストリームに関するサービスとなるほか、ドローン開発センターについても10月からドローンコード開発者の育成を数十名規模で開始し、2017年4月以降のタイミングで実際のセンター設立を行う計画だという。売り上げについては、金額は案件によって変化してしまうため、詳細は明らかにされていないが、映像ソリューションと中心に提供開始1年で100件、同3年で500件の受注を目指すとしている。また両社は、ドローンを使った実証実験をしたい、という企業向けにドローン実証実験環境も併せて提供を行うとしており、要望に応じて、「小型・中型の各種ドローン機材」、「ドローンパイロット」、「ドローンが収集する映像やデータの解析」などの提供を行っていくとしている。

(小林行雄)