「メラトニン」で睡眠の質改善!「ホテルのような照明」がカギ

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睡眠の質を高める上で必要不可欠なホルモン「メラトニン」。しかし、光が強い環境下にいると、夜間でも分泌が抑制されてしまうとか。「メラトニンの分泌を正常に促すためには、就寝前と起床後の行動に重要なポイントがある」という睡眠改善シニアインストラクター・スリープビューティーアドバイザーの内海裕子さんに、メラトニンの分泌を促す効果的な方法について話を伺いました。

体内時計がカギ! メラトニン量を増やして自然な眠気を促そう

内海さんによると、メラトニンは通称“睡眠ホルモン”とも呼ばれ、眠気に深く関係していて、大きく分けて4つの作用があるそう。
 
<メラトニンの作用>
1.体内時計に働きかけ自然な眠気を促す作用
2.副交感神経を優位に保ち、気持ちを落ち着かせる作用
3.呼吸や脈拍を安定させ、深部体温を下げ、血圧を抑える効果
4.サーカディアンリズム(概日リズム)の調整作用
 
「メラトニンの分泌は朝目覚めて太陽を浴びてから約15時間後に始まります。分泌量は就寝前の1〜2時間前に上昇し、真夜中にピークを迎えます。メラトニンの4つの作用が身体を眠りに適した状態にして心地よい眠気をもたらし、入眠をスムーズにし深い眠りへと誘ってくれるのです。逆に、メラトニンの量が不足していると、寝つきが悪くなったり中途覚醒が増えてしまったりと、睡眠の質が悪化する原因になります」(内海さん)
 
メラトニンの分泌を高めるためには、「体内時計」を整えることが重要です。もともと、人間の体内時計は24時間よりも少し長めです。このリズムを刻む体内の親時計は脳にあり、起きて朝日を浴びることで地球時間の24時間にリセットされ、1日がスタートする仕組みになっています。そのため、起きてからもずっと朝日を浴ないで過ごしていると、体内時計のリズムが崩れ、メラトニンの分泌にも乱れが生じてしまいます。
 
であれば、いっそのこと体内が持つリズムに合わせて生活したほうが楽ではないかと考える人もいるかもしれません。しかし、ここで問題になるのが、体内時計と地球の自転に誤差があること。毎日朝日を浴びて24時間の地球時間にリセットすることを怠るとやがて昼夜逆転生活になってしまうことも。さらに、『睡眠覚醒リズム』や『体温のリズム』、『ホルモン分泌のリズム』などがバラバラに動き始め、通常の仕事に支障が出るだけでなく、頭が痛くなったり、内臓の調子が悪くなったりと健康にも影響が現れてきます。それを防ぐためにも、夜の睡眠と起床後に日光を浴びるということが重要になると内海さん。

今日からできる!体内時計を整える夜の新習慣!

内海さんは「体内時計を整え、睡眠の質を高めるためには夜の過ごし方が肝心」といいます。
 
「もともと、人間は24時間よりも長い体内時計のリズムを持っているため、夜更かししやすいようにできています。そのため、夜にパソコンやスマートフォンなどの強い光を見てしまうと、体内時計が後退して夜更かし生活がさらに進行していきます。その上、朝起きられずに朝日を浴びそこねてしまえば、地球時間とのずれがますます大きくなって、体内時計を元に戻すのは困難なものになってしまいます」(内海さん)
 
そこで今夜から始めてほしいのが、「寝る1〜2時間前には、部屋をホテルの室内のようにほの暗くしておくこと」。メラトニンは、目から入ってくる光によって簡単に分泌が抑えられてしまいます。そのため、メラトニンの分泌量が上昇する就寝1〜2時間前には照明を一段階落とす、クリップライトを間接照明として使うなど、部屋をなるべく暗くするように心がけましょう。
 
「覚醒を促す青い波長の光を発する蛍光灯ではなく、眠りを誘引する赤い波長の白熱灯色の照明などを使用するようにして、ホテルのような温かみのあるリラックス空間を演出してみてください」(内海さん)
 
「ちょっとくらい…」と夜更かしを続けていると、すぐに体内時計のリズムは崩れてしまい睡眠の質だけでなく体調も悪化していきます。寝る1時間前には部屋を暗くし、目覚めたら朝日をしっかり浴びるようにして体内時計を整え、毎日を快調に過ごしましょう。
 
参考書籍:「快眠のための朝の習慣・夜の習慣」(だいわ文庫)
監修:内海裕子
 
●睡眠リズムは朝食で整う!睡眠ホルモン「メラトニン」をつくる方法
●乳がん予防・治療に期待。 睡眠ホルモン「メラトニン」でがん細胞増殖阻止

photo:Thinkstock / Getty Images