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スカパーJSATは9月5日、低軌道衛星ビジネスに進出すると発表した。2017年度第1四半期に低軌道衛星向けの地上局サービスを開始する予定だとしている。

同社は1989年のサービス開始以来、静止軌道上に通信衛星を保有し(現時点で17機)、サービスを展開してきた。一方で近年、技術発展に伴う衛星の小型化や、廉価な衛星打ち上げサービスの拡大を背景に、低軌道衛星は革新的成長を遂げる可能性のある分野として注目されていることから、スカパーJSATでは、アジア・太平洋地域での低軌道衛星向け地上局サービスに参入することにしたという。

サービス開始時期は2017年度第1四半期を目処とし、それまでにスカパーJSATの茨城ネットワーク管制センターに地上局設備を構築するという。

従来、低軌道衛星向け地球局サービスは欧米を中心に展開されており、アジア・太平洋地域への本格進出はまだだという。スカパーJSATはアジア最大の衛星通信事業者として、また設立以来20機以上の静止衛星の管制・運用で培った技術力や経験をベースにし、地上局サービスに参入し、活躍の場を拡大していきたいとしている。

近年、技術の進歩により、小型でも十分な性能をもつ衛星が開発できるようになったことから、小型衛星を地球低軌道に多数配備し(衛星コンステレーションという)、通信や地球観測を行う計画が熱を帯びている。

低軌道衛星を使った通信サービスでは、O3bが約20機の衛星を使い、インターネットがまだ未整備の場所に向けたサービス展開を行うほか、ワンウェブ(OneWeb)は648機もの小型衛星を地球を取り巻くように配置してインターネットを提供する計画を進めている。またスペースXも、4000機の衛星を配備しインターネット網を構築する計画がある。

また地球観測では、Googleが複数の小型衛星で高い頻度で地球観測を行うテラ・ベラ(Terra Bella、旧スカイボックス)というサービスの展開を予定しており、プラネットでは100機以上の超小型衛星を使用し、全地球を常時撮影するサービス展開を目指している。

複数の低軌道衛星を使う特長は、地表に近いことから通信にかかる遅延が短く済むことや、より細かく地表が見られるといった点にある。また複数の衛星を配備することで、高緯度地域を含む全地球を、それも同時期にサービス対象にできる。また、衛星1機あたりが小型なため、打ち上げや開発にかかるコストが安くでき、数十機、数百機もの衛星を打ち上げるハードルも低いといった利点もある。

このため、大きなビジネスチャンスがあると考えられており、既存の大企業から新興のベンチャー企業まで多数の企業が参画。また小型衛星打ち上げに特化した小型ロケットの開発も世界中で進んでおり、さらに効率良く打ち上げるためのにロケット会社と衛星会社がタッグを組むなど、さまざまな形態で事業化が進められている。

【参考】
・スカパーJSAT株式会社、低軌道衛星向けビジネスへ進出〜低軌道衛星向け地上局サービスを2017年度に開始予定〜 (476k)
 

(鳥嶋真也)