【日本代表プレビュー】アウェイ初戦で勝利は必須、地に足をつけて戦えるか

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▽日本代表は6日、タイのラジャマンガラ・スタジアムでロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第2戦である、タイ代表戦に臨む。1日に行われた初戦のUAE代表戦を1-2で落とした日本にとっては、勝たなくてはいけない試合となった。

▽UAEの他、初戦では同じグループに同居するオーストラリア代表、サウジアラビア代表が勝利。日本の他、タイ、イラク代表が黒星スタートとなった。ホームゲームで初戦を迎えた3カ国のうち敗戦を喫したのは日本のみ。タイは今回の日本戦が予選ホーム初戦となる。

◆“サッカー人気”が加熱するタイ

▽最新のFIFAランキング(2016年8月)では120位とアジアで18番目となっているタイだが、2014年に行われた東南アジア選手権ではマレーシア代表との決勝戦を4-3で制し、4度目の優勝を飾っている。また、昨年行われたロシアW杯アジア2次予選では、イラク、ベトナム、チャイニーズタイペイと同居し、4勝2分けの無敗で首位通過。実力を侮ってはいけない相手だ。

▽タイではプレミアリーグが人気を博しており、昨季のプレミアリーグで奇跡の優勝を果たしたレスター・シティのオーナーであるヴィチャイ・スリヴァッダナプラバ会長もタイ人。胸スポンサーやスタジアム名にもなっているキングパワーはタイの大手免税店だ。

▽現在はタイ代表も絶大な人気を誇っており、日本戦のチケットは即日完売。5万人収容のラジャマンガラ・スタジアムも超満員になるはずだ。日本としては、アウェイ戦を間違いなく体感することになる。

◆コンディションは良好、ケガ人も復帰へ

▽日本は、初戦の敗戦から翌日にタイへ移動。4日間のトレーニングを重ねてきた。UAE戦を負傷欠場したMF柏木陽介(浦和レッズ)は、別メニュー調整が続いていたものの、4日のトレーニングから全体練習に合流。タイ戦では復帰する可能性が高いだろう。

▽「3、4人以外はいつも何かが足りない状況で合宿に参加している」と前日会見でヴァイッド・ハリルホジッチ監督が語った様に、タイに移動してからはFW岡崎慎司(レスター・シティ)、MF香川真司(ドルトムント)は別メニュー調整をしていた。それでも、「1試合目よりもかなり良くなっている」と語るように、UAE戦でコンディションが悪く動きが重かった選手たちも、徐々に改善が見られているようだ。コンディション面も含めた、ベストメンバーがピッチに立つことになるだろう。

◆警戒すべきは元シティのエース

▽タイ代表の中で最も警戒したいのは、ヨーロッパでもプレー経験があるFWティーラシンだ。タイ代表のイメージとは違い、180cm超の長身で、オーナーの影響もあったものの2007年にはマンチェスター・シティへと移籍した。ワークパーミット(労働許可証)の関係でスイスのグラスホッパーズへと期限付き移籍し、2008年にアブダビ・ユナイテッドがシティを買収したことから退団した。

▽タイへ戻ったティーラシンだったが、2013年にはアトレティコ・マドリーの練習に参加。加入には至らなかったが、2014年2月にアルメリアへと移籍し、リーガエスパニョーラでもプレーしている。

▽スピード、高さ、テクニックを持ち合わせるティーラシンは、タイ代表として75試合に出場し34得点を記録。人気も高く、ゴールを奪われることがあれば、スタジアムの雰囲気は一変するだろう。タイを乗らせないためにも、ティーラシンには注意したい。

◆柏木復帰、サイドをチェンジか

▽何としても勝利が必要な日本だが、初戦のUAE戦からはメンバーを変更してくると見る。負傷者の復帰や、UAE戦のパフォーマンスを踏まえて、予想してみた。

★予想フォーメーション[4-3-3]
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▽まず、GKは西川周作(浦和レッズ)で変更なしだろう。勝たなくてはいけない状況では、負傷がない限りGKを変更する選択はしないはずだ。そして、最終ラインだが、こちらもUAE戦と変更なしとみる。右からDF酒井宏樹(マルセイユ)、DF吉田麻也(サウサンプトン)、DF森重真人(FC東京)、DF酒井高徳(ハンブルガーSV)となるだろう。個人的にはAFC U-23選手権でU-23タイ代表との対戦経験もあり、対人守備の能力が高いDF植田直通(鹿島アントラーズ)や、サイドバックの攻撃参加という点でDF太田宏介(フィテッセ)の起用も期待したい部分はある。

▽また、ボランチにはMF長谷部誠(フランクフルト)とケガから復帰するMF柏木陽介(浦和レッズ)が起用されると見る。柏木の状態が思わしくないようであれば、UAE戦で起用されたMF大島僚太(川崎フロンターレ)ではなく、MF山口蛍(セレッソ大阪)になるだろう。トップ下は足の違和感があるもののMF香川真司(ドルトムント)の起用が濃厚だろう。代役としてはMF清武弘嗣(セビージャ)が考えられる。

▽右ウイングはFW本田圭佑(ミラン)が確定だろう。一方で左ウイングは難しい選択となりそうだ。コンディションが上がりきっていない清武を続けて起用する可能性もあるが、FW宇佐美貴史(アウグスブルク)を置くと見る。UAE戦で途中出場した際には、攻撃にアクセントを付けるプレーを見せていた。ハリルホジッチ監督が危惧する“試合勘”には多少の不安も残されるが、香川の状態を考えても宇佐美を起用するパターンがタイにはハマると見る。

◆負けられないではなく勝たなくてはいけない

▽最終予選を黒星でスタートした日本にとって、タイ戦は勝利が必須だ。負けられない試合以上に、勝たなくてはいけない試合となる。「強い気持ちで勝ちにいかなければいけない」(ハリルホジッチ監督)と語るように、メンタル面が非常にカギを握ることになるだろう。超満員のタイサポーターが集まるスタジアムでは、平常心をいかに保てるかだ。

▽最も気をつけたいことは“焦り”となる。勝たなくてはいけないという気持ちが先走っては、単調な攻撃、リスクを負うプレーが増えてしまう。地に足をつけ、着実にゴールを仕留めることが求められる。また、初戦で泣かされた審判についても、平静を装う必要がある。一つ一つの笛に反応しているようでは、勝利を掴むことは難しくなるだろう。絶対に勝たなくてはいけない試合。タイ戦は、6日(火)の21時15分にキックオフを迎える。