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中高生向けのプログラミング教育事業を手がけるライフイズテックは、夏休み期間を活用して、2016年7月25日から8月26日、全国7都道府県12大学を会場に、中高生向けIT・プログラミング講座「Life is Tech ! Summer Camp 2016」を開催した。

今年の「Life is Tech ! Summer Camp 2016」では、例年実施していた「iPhoneアプリ開発」「Androidアプリ開発」「Webデザイン」「メディアアート」「ゲーム開発Minecraft」に加え、新たに「IoT入門 with MESH」「カメラ&フォトグラフィー」の2コースを追加し、それぞれを4〜8日間に渡って実施した。

本編では、慶應藤沢キャンパス(SFC)で開催されたキャンプを取材。翌日に発表日を控え、それぞれの教室で製作に励む中、参加者の作品を見せていただいた。

○MESHを組み合わせて作った「お母さん対策装置」

今年から追加された「IoT入門 with MESHコース」に参加する中学2年生の女子生徒の作品は「お母さん対策装置」。MESHとは、センサー(加速度計、ボタン、LEDなど)が付いた「タグ」と呼ばれるブロックを組み合わせ、これらをタブレット上のアプリで連携させることで、視覚的なプログラミングが行えるもの。

自宅の階段に設置すると、前を通った時に、スマートフォンへ音と写真で通知する。「自分の部屋いる時に、お母さんが来ることが前もって分かったら嬉しい」と中学生ならではのアイディアを実現した。周りからは、「ぜび実用化したら買いたい」という声が上がるなど、評判は上々のようだ。

○UIにもこだわった「Light Out」

続いては、Androidのゲームアプリを作った中学2年生の男子。ブロックをタップすると、周囲のブロックの色が反転するというルールのパズルゲームだ。最終的に、全ブロックをピンクにできるとクリアとなる。

UIにもこだわっており、非常にプレイしやすかった。また、問題を自作できるモードまで備えており、中学生が作ったとは思えないようなクオリティに驚いた。今後はSwiftも学び、iOS版も作ってみたいと話していた。

○Kinectを使って肩から羽根を生やすエファクト

MicrosoftのKinectを使って、肩から羽根のようなエファクトを出す作品を作った高校2年生女子の作品。教材にあったサンプルコードを参考に改良したという。この羽根の画像も1枚ではなく、数枚の画像をプログラミングで配置することによって表現している。今回の体験をきっかけに、将来はITに関わる勉強がしたいと話していた。

○leapMotionを使って、ボールの色や大きさを操作

中3男子の作品。leapMotionを使って、自分の手の動きに合わせてボールの色や大きさを変化させるもの。中1の時に初参加し、今年2回目だそうだ。去年は、定員に達して参加できなかったため、念願の参加となった。将来はロボティクス分野を目指しており、来年以降もぜひ参加したいと話していた。

○ITのヒーローを作りたい

ライフイズテック代表取締役CEOの水野雄介氏に、「Life is Tech!」を始めたきっかけや今後の目標について伺った。水野氏は、慶應義塾大学理工学部大学院在学中に、開成高等学校の物理非常勤講師を2年間務めている。その後、教師経験を生かし、2010年にライフイズテックを設立した。

―― 子供達が楽しめるカルキュラム作りとは?

人によって、技術レベルやモチベーションが違うので、そこを上手にコントロールしていくことが大事です。サマーキャンプの参加者のうち、50%はリピーターです。例えば、ディズニーランドって、1日遊ぶのに1万円くらい掛かるじゃないですか。だったら同じ価格で「Life is Tech!に行きたい」と思われるようになったら嬉しいです。

―― 「Life is Tech!」の今後の目標を教えてください。

「教育業界を変えれば世界も変わる」と考えています。それには、IT界のヒーローを生み出す仕組みを整える必要があります。それには「入口」「中身」「出口」を変えていかないといけないと思っています。

キャンプにくる子供たちは、スマートフォンでYouTubeは見るけれど、PCでアプリを作ったことがないといった層がほとんどです。そこから、「ITを使ったモノづくりって楽しいよね」とさせるのが、このサマーキャンプです。

よく野球に例えて話すのですが、高校生球児が約20万人弱いると言われる中、その中からプロ選手に選ばれる子がいて、やがて田中将大選手やイチロー選手のようなスター選手が出現しますよね。プログラマーの世界でも同じで、一定以上のプログラミングができる層が必要なんです。その中から、次世代の「ヒーロー」が生まれて、それを見た子供達が自分たちもヒーローを目指す。そんな好循環を期待しています。

短期の目標としては、2020年までに20万人の子供達へリーチしたいと考えています。そのためには、地域や経済的に厳しい子供たちでもプログラミングが学べる仕組みを整える必要があります。そのひとつがオンラインで学べるプログラミング学習サービス「MOZER」です。料金は1コース月額1500円からで、中高生のお小遣いで支払える金額を想定しています。これによって、プログラミング教育の裾野が広がることを期待しています。

また、今後の大きな目標としては、「プログラミング教育=ライフイズテック」と呼ばれるような業界ナンバーワンを目指しています。将来は、自分の思い描く教育を実現する学校も作ってみたいですし、今後さらに、中高生ひとりひとりの可能性を広げるような枠組みを作りたいと考えています。

(山本明日美)