【今さら聞けない】ブレーキディスクの穴はなんのためにある?

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熱やガスを逃がして性能を維持する

ブレンボなどハイパフォーマンスタイプのブレーキローターには、ディスク上に穴があけられているものが多い。こうしたものを、「ドリルドディスク(ローター)」という。同様に、ディスクの表面に放射状に溝が入っているローターもあり、こちらは「スリットディスク(ローター)」と呼ばれている。

これらの穴や溝は何のために入っているかというと、ひとつには放熱性のアップ。ローター表面の通気性をよくして、熱容量を増やしているのだ。もうひとつのメリットも、通気性と関係がある。ブレーキをかけて、パッドがローターに押し付けられるとパッドからガスが発生する。そのガスを逃がしやすくする効果もある。

そのほかにもローターの溝や穴で、パッドの表面をきれいに整え(削る)ることで、ブレーキのタッチと制動力のアップも期待できる。また、無数の穴や溝を設けることで、わずかながら軽量化も図れるし、炭化したパッドのカスをローター表面から早めに取り除き、クリーンな表面をキープすることもできる。

その反面、これらのローターは、通常の表面がフラットなローターよりもパッドの摩耗が早く、ブレーキダストでホイール等も汚れやすくなる。

ブレンボのローターなどは、ベンチレーテッドの二枚のローターの間のフィンを内側から外側まで一体化せず、支柱状にして点在させることで、ローターの外側と内側の熱膨張の違いによるクラックが入り難いように工夫していて感心したが、通常はローターに穴や溝が入ると、ローターの交換サイクルは早くなる。

もっとも、ヨーロッパのハイパフォーマンスカーは、ローターもパッドと同じように消耗品と考えていて、パッド交換数回に一度の割合でローターも一緒に交換している。

ブレーキも高性能を維持するのには、高いコストがかかるパーツだということだ。

(文:藤田竜太)