8月29日、ビザ更新のため1カ月ほど帰国していた私が上海に戻ると、借りていたはずの部屋が、知らない男性に乗っ取られていた。写真は上海の不動産屋。筆者撮影。

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8月29日、ビザ更新のため1カ月ほど帰国していた私が上海に戻ると、借りていたはずの部屋が、知らない男性に乗っ取られていた。

どういうことか、家賃は3カ月分払っているはずなのに、なぜ赤の他人が私の部屋にいるのか。と大家に尋ねたところ、「お前の部屋の家賃は安過ぎる。だから又貸しした。ついでにお前が置いていった衣類や食料も売らせてもらった」と言う返事が届いた。しかも、小さいことで怒るなよ、追い出せばいいんだろ、と逆に嫌味を言われる始末。現在私が住んでいるのは、中国ではよくある(でも違法)の「群租」というタイプのシェアハウス。3LDKのリビング部分にカーテンを付けただけの空間のため、風呂トイレはおろか、電気も自由に使えない。それで家賃は3000元(約4万6000円)、そんなに安いか?現地給料と家賃の比率を考えるに、体感的にはむしろ高いくらいなのだが…。

そう思い、上海の不動産事情を調べてみると、8月26日に中国ポータルサイト大手、網易(ネットイース)でこんなニュースが配信されていた。

7月の中国全土の100地域において、上海市の家賃平均価格が前月の3位から2位にランクアップし、1平方メートルあたり月67.85元(約1038円)となったと発表している。(該当記事に1位は記載されていないが、中国メディアによると2016年2月時点で北京市の家賃相場が月69.27元(約1059円)とあるため、現状も1位を堅持していると思われる)さらに上海市中心部になると価格が上がり、新静安寺区が市内最高値の月102.32元(約1565円)、長寧区が続いて月93.73元(約1434円)と書かれていた。ちなみに私の部屋に関して、リビングの広さは約15平方メートル、そして長寧区に住んでいるため、93.73×15=1405元(約2万1500円)となる。部屋の現状を鑑みるに、3000元はやはりぼったくりだと言わざるを得ない。

また記事内では、上海市における7月期の家賃相場上昇の背景に、大学生及び新社会人の入学、入社シーズンによる需要が重なるため、とある。上海の一般的な不動産賃貸契約では、先払いで3カ月分の家賃、さらに押金(日本で言う敷金礼金)を、1カ月分あるいは2カ月分支払うのが通例とされており、田舎から上海に就職してきた若者が、金銭的に困窮し1年持たず実家へ帰るケースが後を絶たないという。手取り給与額が6000元〜7000元(約9万2000円〜10万7000円)程度の上海の若者は、私のように部屋をシェアしながら高騰する家賃に耐える、という選択肢しかないのが現状だ。

8月30日現在、私は部屋に居座る又貸し相手を追い出し、大家に対し不在の間の1カ月分と、支払い済みの3カ月分の家賃代の返却を求めているが、9月4日までに有効な回答は得られていない。

■筆者プロフィール:川崎健太郎
経歴:1988年、神奈川県川崎市生まれ。日本大学法学部新聞学科卒。富士見書房ファンタジア文庫編集部(現株式会社KADOKAWA)、時事通信社運動部を経て、2015年より一念発起し中国、上海市へ。中国語で挨拶もできない中で在駐日本人向け雑誌の編集、営業に携わる。専門分野はアニメ漫画等のサブカルチャーとスポーツ関係全般。