日本と中国が高速鉄道の輸出で競い合っているのは周知の事実だ。インドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画のほか、タイやインド、さらにはマレーシアとシンガポールを結ぶ越境高速鉄道でも日中は競合関係にある。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本と中国が高速鉄道の輸出で競い合っているのは周知の事実だ。インドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画のほか、タイやインド、さらにはマレーシアとシンガポールを結ぶ越境高速鉄道でも日中は競合関係にある。

 中国メディアの察網はこのほど、日本はなぜ中国の高速鉄道輸出で「競争的な立場を取るのか」と疑問を投げかけ、その理由を考察した。

 記事は、日本が新幹線の輸出を「日本再興戦略」という成長戦略の1つに位置づけていることを指摘しつつ、アジアを中心に各国で高速鉄道に対する需要が高まるなかで「高い鉄道技術を持つ日本は新幹線の輸出で経済成長につなげたい考え」だと紹介。経済的な観点からすれば、日本が新幹線の輸出で中国と競争するのは「自国の経済成長のため」であると論じた。

 一方、政治的な観点からすれば、中国が経済成長を遂げ、国力を大きく成長させていることに「日本は焦りを感じており」、中国が推進する「一帯一路」戦略に対抗するために日本は新幹線の輸出で対抗しようとしているのだと主張した。

 また記事は、日本は中国の高速鉄道輸出に対し、「新幹線の技術を盗んだ」と批判したうえで、その技術の「独自性」に疑問を呈し、中国の輸出を阻害しようとしていると主張。また、中国高速鉄道がかつて衝突事故を起こしたことを挙げ、「日本は中国高速鉄道の安全性に疑問を投げかけ、貶めようとしている」と反発した。

 中国は現在、自国を中心とした経済圏の確立にむけて「一帯一路」戦略を推進している。一帯とは主に中国から中央アジア、ロシアを経て、ヨーロッパに至る「シルクロード経済ベルト」構想を指し、一路は中国の沿海の港から南シナ海を経てインド洋やヨーロッパ、アフリカに通じる「21世紀海上シルクロード」構想を指す。同戦略を推進するうえで重要な存在が高速鉄道であり、各国と中国を高速鉄道で結ぶことで人やモノ、カネの動きを中国と結びつけることができるようになる。仮に同戦略の構想が現実のものとなれば、中国の世界における影響力はさらに拡大し、日本の影響力は相対的に低下することになるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)