写真提供/ジャパンドームハウス

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先日、阿蘇ファームランドにあるドームハウスが、「マンガの世界のよう」「日本じゃないみたい」などと、インターネット上で話題になっていた。では、その真相や理由は? 熊本地震後の反響やドームハウスを体験できる場所についても、取材してきた。

熊本地震でも倒壊ゼロ。理由は1棟わずか約800kg〜という軽さにあり

先日、ネット上で一躍脚光を浴びていた「ドームハウス」は、健康テーマパーク「阿蘇ファームランド」の宿泊施設。特殊発泡スチロール製の宿泊棟は全部で450棟ほどあり、一番古いもので築15年程度経過しいるが、今年4月に発生した熊本地震で倒壊した建物はなかった。そのため、被災者の受け入れ先としても活用されている。

ネットユーザーの多くが注目したのは、ドーム型という愛らしい見た目。「(マンガ)ドラゴンボールに出てくる家みたい」「(映画)スター・ウォーズでもこんな家があったハズ」といった声があがっていたが、製造元のみなさんはご存じなのだろうか。このドームハウスを製造販売する、ジャパンドームハウスの営業本部長である篠崎学さんに聞いてみた。

「ネット上でも、話題になっていたのは知っていますよ(笑)」と率直に答えてくれた。近年では、テレビや新聞などの取材も続き、そのたびに「かわいい」「外国のよう」といわれるのだそう。ただ、見た目が愛らしいだけでなく、耐震性や断熱性など、居住性能も優れている。

「特殊発泡スチロール製なのでとても軽く、シンプルな構造なので地震に強いんです。モデルとなる建物で1棟約800kg〜1t程度。耐久性にもすぐれているので、今回の熊本地震でも被害はありませんでした。実は、東日本大震災のときにも、当社のドームハウスは被害が出ていないんですよ」と胸をはる。愛らしい見た目とは裏腹に強くて頑丈、そんなギャップに人はぐっと惹きつけられるのかもしれない。

【画像1】ドームハウスの宿泊施設の一例。内装によって雰囲気をガラリと変えることもできるそう(写真提供/ジャパンドームハウス)

【画像1】ドームハウスの宿泊施設の一例。内装によって雰囲気をガラリと変えることもできるそう(写真提供/ジャパンドームハウス)

ドームハウスは1棟700万円〜で建てられる!

このドームハウス、もともとは石川県加賀市にある菓子製造会社の社長が企画・考案したもの。
「お菓子のようにメルヘンな雰囲気の建物をということで、素材や建築方法を検討し、現在のかたちに行き着きました」と篠崎さん。開発当初は誰も見向きもせず、開発は困難を極めたそう。

「現在は研究開発が認められ、“発泡ポリスチレンを構造材としたドーム型建造”として国交省から認定をうけました。地震にも強く、断熱性にもすぐれ、上物だけだったら1週間、基礎をちゃんとつくっても1カ月と短期施工ができるとあって、日本のみならず世界中から問い合わせがあるので、これからの可能性と手応えを感じています」と話す。

ちなみに、このドームハウス、使い道も実に多彩で、今まで住居だけでなく、ホテルなどの観光施設・温浴施設、お寺や教会、幼稚園や保育園といった教育施設、農業ドームなどとして活用されてきたそう。海外からは、「難民キャンプとして使えないか」なんて問い合わせもあったそうだ。現在、国内を中心に年間100棟ほど受注しているという。

それでは、気になるお値段はいくらぐらいなのだろうか。
「水まわりや基礎など、土地の条件によっても異なりますが、1棟700万〜800万円程度です。広さは基本モデルで36m2ほど、天井高が3m程度ですね。ドーム型って、人がなぜか落ち着く空間なんですよ」という。ある学者に聞くと「胎内」を思わせるため、人はドーム型の建物に入ると、不思議と安心感を感じるそう。そういえば、なんとなく「おこもり感」がある空間って、なぜかほっとするもの。

「ドームハウスに興味を持たれたら、宿泊施設などで体験してみてほしいですね。8月1日より、阿蘇ファームランドも一部、営業を再開していますし、和歌山県・南紀白浜のパンダヴィレッジといった宿泊施設でもドームハウスがあります」と篠崎さん。ドームがずらりと並ぶちょっとした異世界を体験したいなら、ぜひ一度、足を運んでみてはどうだろうか。

【画像2】ドームハウスが並ぶ阿蘇ファームランドは夜景もフォトジェニック。秋の旅行で訪れてみたくなる(写真提供/ジャパンドームハウス)

【画像2】ドームハウスが並ぶ阿蘇ファームランドは夜景もフォトジェニック。秋の旅行で訪れてみたくなる(写真提供/ジャパンドームハウス)

●取材協力
ジャパンドームハウス
・阿蘇ファームランド