「欧州出身」が増加!日本代表が警戒すべきタイ代表の選手とは?

写真拡大

先日、W杯最終予選でUAE代表に敗れた日本代表は、9月6日アウェイでタイ代表と激突する。成績は20試合14勝4引き分け2敗とこちらが圧倒しているが、2008年6月14日以来対戦していない(アウェイで3-0勝利)。

近年タイの躍進は目覚ましく、パスを細かく繋いで鮮やかなサッカーをすることから「アジアのバルセロナ」と賞賛されている。過去に圧倒したタイ代表とは異なり、現在の同チームはアジアの強豪勢と互角に戦えるステージへと上り詰めている。日本代表にとっては未知の相手であり、次戦は絶対に落とせない試合である。そこで、タイ代表の実力を具体化するために、警戒すべき選手を取り上げる。

ティーラトン・ブンマタン

タイ代表の主将であると同時に、正確無比な「悪魔の左足」を持つ左サイドバック。2013年にはリーグMVPを獲得しており、ブリーラム躍進の原動力となった。昨年のACLで対戦したガンバ大阪は彼にCKから直接ゴールを奪われ、万博でも華麗なFKをゴールネットに突き刺した。その精度は中村俊輔とも比較される。

流れからのクロスも非常に精度が高く、キープ力と持久力も備わっている。プレースタイルはデイヴィッド・ベッカムに近く、チームにとって重要なチャンスメイカーである。日本代表がタイ代表にファールを与えれば、鋭くエッジの効いたプレースキックが容赦なく襲いかかるだろう。

チャナティップ・ソンクラシン

「タイのメッシ」といわれる異名を持つ天才ドリブラー。2012AFFスズキカップ(東南アジア選手権)にて、MVPを史上最年少で獲得した。2013年には清水エスパルスに練習参加し、サガン鳥栖やガンバ大阪が獲得に興味を示したと噂される逸材である。

重心の低いドリブルとアジリティに秀でていて、ダブルタッチと鋭い切り返しで守備網を切り刻む。驚異的なキープ力と小柄ながら強靭なフィジカルも持ち合わせるため、バイタルへ侵入されれば厄介な状況に陥るだろう。以前は前目にポジショニングを取ってドリブルを仕掛けていたが、現在は状況を見て下がりつつゲームメイクをする器用さも身につけた。彼を自由にすればチャンスを多く作られるため、上手く抑えこむ必要がある。

ティーラシル・ダンダ

タイ屈指の点取り屋であると同時に、アフリカ人やブラジル人に当たり負けしない屈強なフィジカルを持っている。元サッカー選手の父親とタイ女子代表の妹(タニーカーン・ダンダ)がおり、サッカー家族で育ったサラブレッドでもある。

海外経験が豊富な選手であり、これまでマンチェスター・シティ、グラスホッパー・チューリッヒ(リザーブ)、UDアルメリアでプレーした。特にUDアルメリアでは、コパ・デル・レイでレアル・ベティスにゴールを決める活躍を披露した。

攻撃ポジションであれば、サイドからトップを高い水準でプレーできる柔軟性が魅力である。181僂凌板垢魍茲したポストプレー、ゴールへの嗅覚とシュートセンスにも優れた万能型ストライカー。小柄な選手が多いタイ代表にとって、前線で身体を張れるダンダは頼もしい存在だ。

トリスタン・ド

ベトナム系タイ人の父親とフランス人の母親を持つパリ生まれの右サイドバック。RCストラスブールの下部組織でキャリアを積み、SASエピナルやGFCアジャクシオで活躍。特にエピナルではクープ・ドゥ・フランスでリヨン戦に46分出場し、PK戦の末にジャイアントキリングを果たしている。祖父がベトナム人であることから、ベトナム代表とタイ代表とで壮絶な取り合いに発展した過去を持つ。タイ代表を選択してからは、すぐに右サイドバックのレギュラーに定着した。

ボールの扱いに長けており、ビルドアップやフィードの成功確率は高い。フランスで屈強なアフリカンと互角に渡り合った力強いフィジカルと1対1の強さを併せ持つ。171僂両柄であるが、身体能力を活かしたジャンプでハイボールを上手く処理する。強靭な肩を持っていることから、ロングスローも得意である。

ミカ・チュヌオンシー

U-17ウェールズ代表出場経験があり、ギャレス・ベイルやアーロン・ラムジーとチームメイトだった過去を持つ。父親がタイ人で母親がウェールズ人。名門カーディフ・シティのユース組織でキャリアを積み、2009年に父の祖国であるタイの強豪であるムアントン・ユナイテッドに移籍した。国籍変更し、今年に開催されたキングスカップのシリア戦でタイ代表デビューを飾った。試合はPK戦にもつれ込み、ラストキッカーとなったミカは冷静にゴールを揺らして勝利を決定づけた。

ウェールズ時代は守備的MFやサイドバックを担っていたが、タイではオールラウンダー型のセンターバックを務める。重戦車のようなドリブルで駆け上がり、前線にボールを供給するプレーが持ち味。足も速いため、素早いドリブラーにも難なく対処することが出来る。足下の上手さに加えて、たくましい肉体と優れた身体能力も備えているため弱点が見当たらない。

南ウェールズ大学を卒業しているインテリ選手でもある。

シャリル・シャピュイ

スイス生まれで、元々はスイスのアンダー代表だった。そのため、FIFAの国際大会(2009 FIFA U-17ワールドカップ)で優勝を経験した選手であり、U-17W杯では全試合スタメン出場を果たして優勝の原動力となった。ちなみに同大会のグループステージにおいて、宇佐美貴史、杉本健勇、宮吉拓実を率いるU-17日本代表と対戦しており、シャリルはセンターバックを務めて4-3の勝利に貢献。2013年にタイへ国籍変更。タイ代表では2014AFFスズキカップ決勝でホームとアウェイで貴重なゴールを挙げて、大会制覇の立役者となった。タイ代表では現在9試合5得点の結果を残し、攻撃的MFとして活躍する。

タイ代表に欠けていた縦への推進力を持っており、フィジカルとスピードを活かした突破力は迫力満点。元々CBを務めていたため、インターセプトやプレスの上手さにも定評がある。テクニック面にいたっては、意表をついたグラウンダーパスや強烈な弾丸ミドルも持っているため、良い意味で「タイ人らしくない」プレーでチームに化学反応をもたらした。シャピュイの加入によって、タイ代表の攻撃バリエーションが増加したのは間違いないだろう。

紹介した選手以外にもクルークリット・タウィカンのような有望な選手も招集されている。日本代表がW杯出場を目指す上で、タイ代表戦は決して落とせない戦いとなる。今まで対戦してきた東南アジアのチームとは一味違うだけに、タフな試合は避けられないかもしれない。