女性アスリートが気をつけるべき3つの事項

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執筆:Mocosuku編集部
監修:坂本 忍(医学博士)

たくさんの感動を生んだリオオリンピックが終了し、9月7日(現地時間)からはパラリンピックが始まります。

男女ともに、アスリートの限界への挑戦は見ている人の心を動かす一方、本人には身体の大きな負担を強いていることもあります。
特に、女性アスリートが気をつけるべき3つの事項。「利用可能エネルギー不足」「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」「無月経」です。

実際にはどのような現状があるのでしょう?調べていくと、ある特定の競技では「疲労骨折」と「無月経」の経験者の割合が高いことがわかりました。

「疲労骨折」と「無月経」の割合が高かった競技

日本産科婦人科学会などの調査によれば、競技別の「疲労骨折」と「無月経」の割合が高かったのは以下の競技です。

陸上の中長距離

競歩

体操

新体操


中長距離・競歩で疲労骨折を経験したのは競技者の51%。無月経では21.9%でした。

体操、新体操では疲労骨折経験者は35.7%、無月経は23.2%という結果に。(※産経新聞の報道による)


こうした結果から、見えてくるものはなんでしょう。競技に集中しながらも、意図せずして将来、女性にとって妊娠・出産ができなくなる事態は避けたいところです。

未来にも響く「骨粗鬆症」の実態

女性アスリートに多い骨粗鬆症は、普通、閉経期後の高齢者に多く見られます。これはエストロゲンの骨吸収抑制作用が阻害されることで、骨の吸収が進み、骨量の減少が起こるためです。

骨量が減少したところで、強い力がかかるとき、骨折が起こりやすくなるのです。
では、どうして骨粗鬆症が女性アスリートなどに起こりやすいのでしょう。それは、「利用可能エネルギー不足」が関係します。

利用可能エネルギー不足とは

日ごろから過酷に鍛えあげて戦いに挑むアスリートは、食事の総エネルギー量より運動消費量が多くなりがちです。すると、エネルギーが不足します。

フィギュアなど美意識を競うスポーツは、選手本人にもやせようとする意識が働くため、エネルギー不足を招きやすいようです。
これらによって、女性アスリートは、女性ホルモンの分泌、骨代謝の仕組みが崩れやすくなり、骨粗鬆症が引き起こされる原因となるでしょう。

でも、原因はまだあります。それは女性特有の事象、つまり「月経」に関することです。

「無月経」について

利用可能エネルギーの不足は、「無月経」を引き起こしやすいのです。これは視床下部からの「性腺刺激ホルモン放出ホルモン」の分泌が阻害されてしまうことに由来します。


一見、無月経には「生理による好不調に影響をうけにくい」というメリットもあるように思うかもしれません。しかし、女性の人生の質をトータルに考えた時には、無月経状態が一定以上続くことは回避しなければなりません。


アスリートだけでなく、過剰なダイエットなどでも私たちの体のバランスは揺るぎがちです。女性の場合は、特に「利用可能エネルギー不足」を意識し、無月経やエネルギー消費量のバランスを改めて考えるべきでしょう。

※『女性選手2割が疲労骨折を経験 東京五輪開催にむけ、日本産科婦人科学会などが調査』(http://www.sankei.com/life/news/150829/lif1508290022-n1.html)