主婦のパートは扶養の範囲内? 知っておきたい扶養控除

写真拡大

お仕事を始める時に気になるのが「税金と扶養」とよく聞く「扶養控除」です。働く上で、パートの収入はどれくらいで扶養の範囲に入るのか気になりますね。そこで、働き損にならないために知っておきたい数々のポイントをご紹介します。

自分の収入を調べてみよう!

お仕事で支払われる毎月のお給料、月にどれくらい入るのか明細書に記載されていますね。月収は、1日の勤務時間と勤務日数を計算すると大体の金額がわかりますが、では年収は? そこで扶養控除を知る前に、まずは自分の収入額を調べてみましょう!

収入額は「月収」ではなく「年収」で調べる!

ご自分の収入額を月収で計算することがほとんどですが、実は月収ではなく年収で調べることがポイントなんです! なぜかというと、月収は社会保険税や所得税など差し引かれて、手元に入る金額なので、正確な収入額を知るなら「年収」を調べてみましょう。

計算なしで年収が分かる方法は?

正確な年収を知りたいけど、計算がめんどくさそう……な感じはしますよね! だけど、細かい計算をしなくても分かる方法があるんです。それが「源泉徴収票」で、年に会社から発行される収入票で1年に支払われている年収を知ることができます。

貰ったことはあるけどいまいち分からなくて、タンスの奥にあるなんて事はよくあります! 去年の源泉徴収票がある方は、この機会に見直してみてください。

年収を知るには「支払金額」をチェック

では、源泉徴収票のどの欄をみれば良いのかというと1番最初の欄の「支払金額」に、1年間の年収が記載されています。給料明細書でも「総支給額」の金額を、1年分足して計算すると年収は出ますが1年分の明細書を取っておくのは意外と大変です。整理の時に間違って捨ててしまうこともあるので、結局分からないなんてことも。

そこで1番簡単な方法は「源泉徴収票」をチェックする事です。この総収入額には、1年間で納める税金(社会保険や住民税・所得税など)の金額も含まれているので、税金を引く前の合計金額を知ることができます。源泉徴収票は、確定申告でも必要となるので大事に保管しましょう!

よく聞く「控除」ってどんな意味?

税金などでよく耳にする「控除」、扶養控除や配偶者控除など知ってはいるけど実はいまいち分からないってこと多いんです。そこで、この「控除」の意味について少しご紹介します。

「控除」とは、差し引いた税金の意味

社会保険や所得税・お勤め先の会社で加入した保険などで差し引かれる金額の事で「今年はこれだけ差し引きました」という意味になります。なので、年収の支払金額=給料所得で控除後の金額=差し引かれた控除の合計金額が源泉徴収票に表示されます。

控除の意味を知っておくと、明細書や他の書類の見かたも分かりやすくなりますし、確定申告の時も記入しやすくなると思います!

ここで覚えておきたい必要な「控除」は4つ!

パートでお仕事をしている主婦の方に、覚えておきたい「控除」を4つまとめました。毎月納めている控除は、所得税など普段知っている税金以外にも結構差し引かれているんです! では、その覚えておきたい4つとは?

1.「基礎控除」=無条件で全ての納税者は「38万円」が差し引かれます。基礎控除は、収入の金額に関わらず一律の金額です。

2.「扶養控除」=扶養する家族が居る場合に、人数に応じて所得が控除されます。給料の収入が103万以下の場合は「扶養親族」になります。

3.「配偶者控除」=控除対象の配偶者(婚姻相手で生活を共にしている)がいる場合に、最高38万まで控除され年齢によって控除される金額が10万円ほど違ってきます。

4.「配偶者特別控除」=38万以上の所得がある場合に受けられる控除で、76万〜100万未満までの所得がある方は、配偶者特別控除対象となり3万〜0円と控除金額が低くなります。

という感じで、所得以外にもいろんなことで控除されています。この他にも、給料所得など収入額に応じて一定の額が控除されるなど、せっかくお仕事してもこんなに引かれては気分が滅入りますね。では、そこで気になる「パートでの扶養の範囲内」についてご紹介します。

主婦のパートは扶養の範囲内?

最近からお仕事を始めた主婦の方や、これから始めようと思っている方に知っていてもらいたい「扶養の範囲内」と「損をしない働き方」をご紹介します。

仕事をしたいけど扶養から外れたくない!

毎月の出費が多くて、仕事を始めたいけど扶養から外れるのは困る……こんな時どうすれば良いのでしょうか。仕事をしながら扶養の範囲内に入るには? まず初めに仕事を探す時に、選ぶポイントをご紹介します。

1.勤務時間を調べる。

なぜかというとパートタイムは通常「5時間」がほとんどですが、5時間を超えてしまうと配偶者の扶養から外れ「社会保険」が自己負担になります。

2.月収を見る。

月の収入が8万4〜5千円を超えると年収およそ108万前後になり、扶養の範囲外になってしまいます。ですが8万8千円の月収でも「扶養控除の申告書」を提出しないと雇用保険とは別に、所得税は引かれることもあります。

このように、扶養の範囲内で仕事を探すなら「勤務時間と月収」にポイントをおいて探してみましょう。目安は100万〜103万以内がベストな月収で、例えば「夫の年収手取りが1千万以上」の場合、パートの年収が103万を超えると、配偶者控除が受けられなくなるので注意です。

「年収100万以内」がベスト?

パートを始めるなら「103万の壁」は超えない様に……という言葉をよく聞きますね。それはなぜかというと、年収100万以内なら「所得税と住民税」は免除され、103万までなら住民税はかかるけど負担額は少ないことから、扶養の範囲内でお仕事をするなら「100万以内〜103万以下がベスト」ということになります。

年金や保険は4〜6月の給料で算出

パート先で社会保険や年金を差し引かれているのなら、4月〜6月の3ヶ月はなるべく残業を減らすようにした方がおススメです。その理由は、1年間の年金と保険料の金額は「4月〜6月」の給料所得で決まるので残業手当なども算出に加算されます。収入が多いほど、差し引かれる金額は増えるのでここは注意したいポイントですね!

4月〜6月で決定された年金や保険料は、その年の9月から翌年の8月までの金額となるので、毎年7月1日の「報酬標準月額決定時期」を頭においておくと良いかもしれませんね。

「報酬標準月額」ってなに?

毎月納める保険料や年金受給の金額を決定するために使われるのが「報酬標準月額」で、主に4月〜6月の月収で計算されます。この算出には「交通費や残業代」も含まれるので、この時期の時間外勤務は控えめにした方がおススメです。

覚えておきたい「扶養控除」について

「扶養控除」と扶養は別物?と、いまいち分からないのが多い税金用語。名前は聞いたことあるけど、仕組みがよく知らないという主婦の方も多いです。そこで、この扶養控除についてご紹介します。

「扶養控除」ってなに?

まず「扶養控除」とは、扶養(養う家族・親族)が居る世帯には、納める税金の負担額が安くなるための制度ですが、間違えやすいところは「配偶者控除」と「扶養控除」の違いです。では、その違いとは……?

・「扶養控除」=扶養する親族がいる場合に対象となる受けられる制度。例えば、ご両親や16歳以上のお子様などが対象になります。ご家族と同居やシングルマザーなどが主に対象となりますね。

・「配偶者控除」=結婚をすると「扶養控除」から「配偶者控除」に変わり、配偶者(夫)の扶養に入る事になります。扶養に入っているのでパートで毎月の収入が100万以内なら、納める税金は配偶者(夫)だけの負担になります。

配偶者の親族と同居しているのであれば、「同居老親等」という扶養控除があり最高58万円が控除されます。このことから「扶養控除」とは、養う親族が入り場合にウケられる制度で、籍を入れる前に適応されます。入籍後は「配偶者控除になるということです。

夫(配偶者)の扶養から外れないためには?

では、夫の扶養から外れないためには……というと、パートの年収を「100万以内」に抑えること。とはいっても、仕事で仕方なく残業なんてこともあります。そんな時は、年収129万までなら扶養から外れることはありません。その理由をご紹介します。

年収100万以下を目指す?

年収100万以内では配偶者の扶養に入っているため「社会保険料と年金」の自己負担が免除され、住民税もかかりません。ただし年収100万を1円でも超えると「住民税」が発生しますが金額は数千円ほどです。

なぜ年収130万以内が良いの?

社会保険や年金の自己負担は「130万以上」が原則で、129万なら配偶者の扶養内で収まります。130万を超えると、扶養から外れ自分で保険料や年金を納めなければなりません。なので、130万以内なら保険料や年金は配偶者の所得から控除されます。

130万を超えたらどうなるの?

年収130万を超えると、社会保険や年金が自己負担になり夫の扶養から外れます。仮に130万を超える年収になると141万未満までは「配偶者特別控除」を受けられますが、差額の10万分をガッツリ働くか130万に抑えて仕事を調整するかの選択です。いずれにしても、負担のかからないボーダーラインは「100万以下〜130万以内」と覚えておくと良いですよ!

まとめ

「パートの収入扶養の範囲内? 知っておきたい扶養控除」についてご紹介しました。せっかくのお給料も抑えられる税金で差し引かれては、もったいないですね。これを機会に今一度、ご自分の収入を調べてみてはいかがでしょうか。払い過ぎで払い戻しができる税金の種類もあるので、詳しく調べてみるのもおススメですよ。