香りで印象は変えられる

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香りは女性をより魅力的に見せる。では、男性は...? 「消臭」から一歩進んだ「男の香り」について、専門家の意見を聞いた。

オトコ度低いほど印象が変わる

英スターリング大学の研究者らが2016年5月にEvolution & Human Behavior 誌に発表した論文によると、外見で女性から「オトコ度」が低いと見られがちな男性は、デオドラント(体臭防止剤・香りつき)をつけることで、その印象を変えることができるという。

研究チームは最初に、男女のボランティア20人ずつの体臭のサンプルを採取し、次に、無香料の石けんで体を洗ったあと、手持ちのデオドラントをつけてもらい、再度サンプルを採取した。239人の若い男女がそれぞれのサンプルのにおいをかいで、「オトコ度」「オンナ度」を評価。また、別の130人にボランティアの顔写真を見せて、「オトコ度」「オンナ度」を評価してもらい、においと顔立ちの男らしさ・女らしさとの相関関係を調べた。

その結果、男性が評価したケースでは、女性は全員、デオドラントをつけることでオンナ度がアップしたが、顔立ちの女性らしさとにおいとの相関は見られなかった。一方、女性が評価したケースでは、男性の顔立ちとデオドラントをつけていないときのにおいのオトコ度に相関がみられた。また、デオドラントをつけることで、顔立ちのオトコ度が低い男性はにおいのオトコ度が上がったのに対し、もともとオトコ度が高い男性の評価は変わらなかった。

このことから、研究者らは、「女性は男性よりにおいに敏感な傾向がある」としたうえで、「男性はデオドラント(香り)を身につけることでオトコ度を上げることができるが、あまりにオトコ度が高いと攻撃的で敵意を感じさせるのかもしれない」と推測している。香りは、見た目のオトコ度が低いほど「勝負アイテム」になりうるのだ。

実際、「オールド・スパイス」や「AXE(アックス)」といった海外ブランドの男性向けデオドラントの広告は、「男らしさ」を打ち出しているものが目立つ。

日本人は「ほのかにいい香り」が好き

日本では、デオドラントというと「においを抑える」イメージが強く、とくに男性向け製品は無香料のものも多い。汗臭さや加齢臭を消すことは考えても、香りで異性にアピールしようと考える人は、まだまだ少数派だ。

化粧品メーカーでの商品開発の経験を活かし、現在は美容コンサルタントとして活動しているビューティサイエンティストの岡部美代治氏は、「日本では、女性が男性の香りに対して優先するのは、まず『くさくない』こと。そこに『ほのかにいい香り』を加えられれば、好感度は増すでしょう」と言う。

欧米人と比べ体臭が強くない日本人男性にも、いまや「におい対策」はエチケットとして定着しつつある。2014年4月に楽天リサーチが行なった意識調査によると、香りに関する商品について、男性の使用率が高いのは「柔軟剤(香りつき)」(23.0%)、「洗濯洗剤(香りつき)」(21.3%)、「衣類用消臭スプレー」(16.5%)。体に直接ではなく、衣類に香りをプラスしたり、消臭したりしている人が多かった。

岡部氏によると、最近は20〜30代を中心に、少しずつだが「男の香り」にも注目が集まってきているという。男性にはさわやか系のシトラスやジャスミン、フランキンセンスなどの香りが人気だ。

「ほのかにいい香り」程度なら柔軟剤で十分かもしれないが、「香りも服装と同じくTPOを意識して、複数を使い分けるのが理想。選ぶのが難しければ、百貨店のフレグランスコーナーなどで、自分に合うものを相談してみては」と岡部氏。「香りをまとえば気分転換にもなりますし、自己演出の手助けにもなります。ファッションと香りで自分のイメージを演出できれば、女性からもより魅力的に見られるのでは」

ほのかに香るようにするには、シャツや靴下など衣類に軽くつけるのがおすすめだ。肌に直接つけるフレグランスはハードルが高いと敬遠する男性も挑戦しやすい。まずは香りで印象を変えられる効果を楽しんでみてはいかがだろうか。

参考論文
The impact of artificial fragrances on the assessment of mate quality cues in body odor
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.evolhumbehav.2016.05.001 

(Aging Style)