【WEEKLY TOUR REPORT 】
■米ツアー・トピックス

 石川遼(24歳)が復帰2戦目、日本ツアーのRIZAP KBCオーガスタ(8月25日〜28日/福岡県・芥屋GC)で見事に勝利を飾った。

 腰痛により、今年2月にPGAツアーから戦線離脱。5カ月もの間、治療とリハビリに専念してきたが、戦いの場に復帰して、ようやく100%の力を発揮することができた。これはもう、PGAツアーにとってもうれしいニュースだ。

 まず、心配されていた体調については、「100%怖がらずに打てるようになった。7月の日本プロに出場したときとは、ショットのキレがまったく違っていたと思う」と石川。本人がそう口にするのだから、もはや問題はないだろう。復帰第1戦以降は、スイングのリズムを一定にすることだったが、それも矯正できたようで心強い限りだ。

 また、「この1カ月半はアプローチの練習を続けてきた」という。今回の優勝は、それが功を奏したことは間違いない。こうして最高の結果を出せたことで、石川自身、十分に自信を取り戻したようだ。

「日本プロで復帰したときは散々な結果だったけど、でも、あれがあったからこそ、試合でプレーしても(腰が)痛くないとわかった。それで今回、思い切りプレーできたし、自分が(戦えることを)信じられた」

 PGAツアーについては「もう一度、スタートする」と、2016−2017年シーズンからの復帰を表明。現在ツアーに申請している"メディカル・エクステンション"(公傷制度)は、今季終了後、コミッショナーのティム・フィンチェム氏が最終的に判断を下すことになるが、現在のところ、ほぼ認められる見通しだ。

 そうなると石川は、2016−2017年シーズンは"メジャーメディカル・エクステンション"という、プライオリティランキング(出場資格)22番目のカテゴリーでツアーの出場権を得ることになる。出場できる試合は、今季6試合出場したあとの欠場分ゆえ、19試合前後と見られている。

 ちなみに、メジャーではなく"マイナー・メディカル・エクステンション"となった場合、出場資格の順位は29番目。エントリーした試合に必ず出場できるとは限らない。

 PGAツアーの2016−2017年シーズンは、10月13日に初日を迎えるセーフウェイオープン(10月13日〜16日/カリフォルニア州・シルバラードCC)から開幕する。ただ、この週は日本ツアーでも、メジャー大会の日本オープン(埼玉県・狭山GC)が開催される。石川は現状、「どちらに参戦するかは、まだわかりません」と明言を避けた。

 とにかく石川は、2016−2017年シーズンに出場できる試合の中で、今季(2015−2016年シーズン)のフェデックスカップ・ポイント125位(454点)を一日でも早く越えることが、PGAツアーにおける最大目標となる。つまり、PGAツアーに復帰したら、どんどん試合に出場してポイントを稼ぐことが必須となる。

 その結果、出場可能な試合の中で、今季125位のポイントを超えれば、そのままシード選手として試合に出場し続けることができる。しかし、逆に同ポイントに到達できなければ、その時点でシード権は失われる。もし開幕戦から復帰すれば、19試合が消化されるのは4月末頃までと想定される。石川の、その間の戦いぶりが大いに注目される。

 石川はこれまで、PGAツアーでは思うような結果を残せず、苦しい時期を過ごしてきた。日本ツアーでは勝利を挙げているだけに、「なぜ?」という疑問を持つ人も多いだろう。

「PGAツアーのコースセッティングが日本ツアーに比べて難しいから?」「日本ツアーよりも、PGAツアーの選手層のほうが厚いから?」「日本ツアーだと、石川は力を発揮できるから?」

 いろいろな要因は考えられるが、どれかひとつが正解ということはない。

 PGAツアーで1年間、高いレベルを保って戦い続けることは、フィジカル、メンタルともに強く、万全であることが、どれほど求められるのか。それは、PGAツアーですでに4シーズンも戦ってきた石川が一番わかっていることだ。

 今回の日本ツアーの勝利によって、ケガから完全復活できたことは確信できた。そして石川が"自信"を取り戻すことができたのなら、今はそれこそが一番の収穫と言えるのではないだろうか。

 今週も日本ツアーのフジサンケイクラシック(9月1日〜4日/山梨県・富士桜CC)で上位争いに加わっている石川。次週もANAオープン(9月15日〜18日/北海道・札幌GC)に出場を予定している。PGAツアーの新シーズンには、フィジカルも、メンタルも、よりたくましくなって戻ってくるに違いない。

 石川遼の新たな挑戦を見るのが、今から待ち遠しい。

text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN