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「ポケモンGO」の大ヒットで、現実とバーチャルが重なる技術が一気に身近になった。世界をガラリと変えるかもしれないこの技術に便乗して、儲ける方法を専門家に聞いた

◆第2のポケノミクスの可能性を探る

 スマホをかざすと液晶画面に映し出される目の前の風景に、突然実在するはずのないキャラクターが現れる――。

 現実の世界に別のデジタル情報を重ね合わせる技術はAR(拡張現実)と呼ばれる。ARを駆使したスマホゲーム「ポケモンGO」は7月のリリースと同時に大旋風を巻き起こし、日本の株式市場でも関連銘柄が軒並み急騰する“ポケノミクス”とも称された。

 現実にデジタル情報をプラスするARに対し、人工的に新しい世界を作り上げるのがVR(バーチャルリアリティ、仮想現実)だ。テーマ的にはどちらも一巡した感はあるが、10月13日にVRの技術を活用したソニーのゲーム機「プレイステーションVR」(以下PSVR)が発売されるのを機に市場には人気再燃の兆しがある。では、実際にどちらが狙い目なのか。まずは両者の特徴から見ていこう。

◆現実を重ねるAR、ゼロから生み出すVR

「ARとVR。2つの技術が一挙に身近になった’16年は、AR/VR元年ともいわれています。アメリカではすでにフェイスブックやマイクロソフトなど世界的な企業も参入しています」

 そう解説するのは、フィスコリサーチアナリストの飯村真由氏だ。

「どちらもゲームや映像の印象が強いですが、将来的には医療サービスほか、あらゆる産業に拡大しうる技術です。例えば、自宅にいながらスタジアムのような臨場感でスポーツ観戦ができるサービスの提供をソフトバンクが発表していますし、複数の人の顔を入れ替えて表示するアプリや洋服の試着、家の模様替えの疑似体験をスマホでできるアプリなど身近なところにも活用されています」

 いずれも既存の生活をガラリと変える可能性を持った技術であり、’25年にはARとVRを合わせた市場規模は8兆円に達すると試算するアナリストもいるという。

 具体的に投資するならどちらが有利か。テーマ株に詳しいカブ知恵の藤井英敏氏はこう語る。

「短期的には10月13日のPSVRの発売に向け、VR関連銘柄が盛り上がる可能性があります」

◆PSVR発売に向け相場は盛り上がるか

 いわゆるポケノミクスも、株式市場が最も盛り上がったのは、アメリカでのブームが話題になってから日本でリリースされるまでの期間だった。PSVRも発売が近づくと関連銘柄が買われることが考えられるという。

「ポケノミクスと同様、発売されると相場はいったん終了するので、それまでに取引を終わらせておきましょう」(藤井氏)

 一方、中長期的に見ると、市場規模が大きいのはARだと飯村氏は指摘する。

「ARの技術を短期的に収益化できる銘柄はまだ多くありませんが、現実と重ねられるぶん、活用範囲は広いでしょう。当面はエンタメ分野が有望で、例えばポケモンのように既存の位置ゲームのメーカーがサンリオやディズニーなどと組んで人気キャラクターをゲーム化するようなことができれば、大相場も期待できます」

 いずれにしろ、大化けを狙うなら任天堂やソニーなどの大型株よりも、値動きの軽い中小型株に投資するのが効率的だ。藤井氏と飯村氏がそろって本命に推すのは、PSVR向けソフトに技術提供するCRI・ミドルウェアだ。また、VRに特化した部署「VR部」を設置し、VR採用面接体験などゲーム以外の分野にも実績があるカヤックも注目だという。

「いずれも株価の過熱感が収束して、買いやすい水準です」(飯村氏)

◆高値掴みを避け欲を出しすぎないこと

 藤井氏は、ソニーの高機能・高精度ARエンジンを販売するサイバネットシステムや、描画に必要なVRレンダリングエンジンを手掛けるシリコンスタジオも本命の一角と見る。