逆転の数式で発症率が予測可能に(写真はイメージ)

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心筋梗塞や脳卒中の発症率を、死亡率から算出する式を確立したと、愛媛大学大学院医学系研究科や筑波大学、国立循環器病研究センター、藤田保健衛生大学、大阪大学らによる共同研究チームが発表した。

心筋梗塞、脳卒中は日本人の死因でも上位を占める疾患。効果的な対策をとるには発症率の算出が必要だが、死亡率は毎年厚労省によって発表されているものの、発症予測は難しいとされていた。

共同研究チームは、国立がん研究センターが、疾患と生活習慣の関係を調査するため、全国10万人を10年以上追跡調査している「JPHC研究」のデータから、1990〜2010年までに集められた、岩手、秋田、長野、沖縄、茨城県、高知、長崎、宮古島の全国8か所に住む40〜59歳の男女9万4657人分を解析。

性別や年齢による人口差はあらかじめ調整し、心筋梗塞と脳卒中の死亡率と発症率を算出、分析したところ、死亡率が高い地域ほど発症率も高くなっていることが分かった。

そこで、死亡率だけがわかっている場合、さらに年齢や居住地域などの条件値を加えることで発症率を算出できる計算式を開発して調べた。

心筋梗塞の発症率は男性で死亡率の2.06倍、女性1.41倍に。脳卒中は、男性で3.99倍、女性で4.44倍となっていた。

研究チームは、死亡率から発症率が算出できるだけではなく、死亡率の高い地域は低い地域よりも、積極的に心筋梗塞、脳卒中の発症対策をとる目安にもなるとしている。発表は2016年7月30日、心疾患分野の専門誌「International Journal of Cardiology」オンライン版に掲載された。

参考論文
Association between mortality and incidence rates of coronary heart disease and stroke: The Japan Public Health Center-based prospective (JPHC) study.
DOI: 10.1016/j.ijcard.2016.07.222 PMID: 27497111

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