まるで宝箱!ガラスケースに収められた“生きているインテリア”が幾何学的で美しい

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化石や植物、鉱物などの自然物を繊細で幾何学的なガラスケースに収めた“テラリウム”の美しさに癒されると話題を呼んでいる。

自然の造形美をオブジェのように

この作品を制作しているのは“ROUSSEAU(ルソー)”の中山 茜さん(@LaPliocene)。

自然の造形美をオブジェのように楽しめむため、繊細で幾何学的なガラスケースをデザインした中山さん。

そのガラスケースの中に収められた化石や植物、鉱物などが、まるでフランスの画家・アンリ・ルソーが描く“幻想的な緑の世界”を思わせるような空間を構築しているテラリウム作品の数々。

今回は中山さんに、鉱物や植物のテラリウムを制作し始めたキッカケやセッティングのコツ、またガラスケース作品の制作に関してやワークショップのことなどを伺った。

自然にうまれた規則性が心地よい

――幾何学的なガラスケースやガラスベース作品の着想やインスピレーションの源は?

鉱物や化石、植物などが好きで、自然が時間をかけて作り出した造形に惹かれるところがありました。

葉が効率よく日光を浴びるために、茎に対して見事に左右対称な葉をつけてシンメトリーになっていたり、サボテンの棘が美しい螺旋を描いていたり…。

安定した環境で成長した鉱物も、規則正しい美しい結晶となります。身近なものでいえば、水晶は透明できれいな六角柱の結晶ですよね。

ROUSSEAU

ROUSSEAU(中山 茜)

そういった“自然にうまれた規則性”を(私は)心地よく感じるんだなと気付き、ガラスケースを制作する際に取り入れています。

また、(上の写真のように)結晶構造を忠実に再現したり、植物と合わせたときにリズムが生まれるような幾何学的なデザインを意識していますね。

手に入らないなら作るしかない!

――鉱物や植物のテラリウムを制作し始めたキッカケは?

もともと家具や雑貨などのインテリアが好きで、以前は家具屋で販売の仕事もしていました。

4年前、海外のウェブサイトでテラリウムというものを知り「欲しい!」と思ったのですが、当時日本では取り扱っておらず、ガラス製品なので海外からの購入も難しく…。

まだ(テラリウムの)認知度も低く簡単に手に入らない状態だったので、「それならば作るしかないか」と思ったのがキッカケです。

インテリアとして植物を身近に楽しめるテラリウムですが、鉱物や化石、木の実など、様々な自然の造形の美しさを組み合わせることで、さらに空間に奥行きや物語が生まれるのではないかと思い、制作するようになりました。

自分だけの小さな空間を

――テラリウムの魅力とは?

テラリウムの魅力は“生きたインテリア”として、自分だけの小さな空間の成長を楽しめるところだと思います。

また、土が露出しないためクリーンな雰囲気にもなるので、鉢植えとはまた違った“オブジェ”のような魅力もありますね。

極力手仕事の気配を消すため

――サボテンや多肉植物の“水耕栽培用の容器”と“テラリウムに使用している容器”では、ガラスや素材に違いがありますか?

多肉植物用と水耕栽培用でガラスの素材に違いはありません。

ほぼすべて2ミリ厚(強度が気になる場合は3ミリ厚)のフロートガラスを使用しています。

ROUSSEAU

ROUSSEAU(中山 茜)

窓ガラスなどに使われるような一般的なガラスですが、通常ステンドグラス技法で使用するガラスは3、4ミリなので、比べると薄手ですね。

通常のステンドグラスは、はんだ(で接合した)部分が少し波打ったような仕上がりですが、極力“手仕事”の気配を消した繊細で無機質な仕上がりにしたかったので、薄いガラスを使用しています。

ROUSSEAU

ROUSSEAU(中山 茜)

もちろんガラスですので、落としたり強い衝撃を加えると割れてしまいますが、薄手とはいえ(取り扱いなどは)そこまで神経質に気にするほどではありません。

少しでも崩れると違和感が

――八面体や正十二面体などの“つり下げる”容器を作成する際に、特に難しいところや工夫している箇所は何ですか?

パーツのサイズが1ミリ、1度でもズレてしまうと整った立体に仕上がらないので、面の数が多くなる程難しくなります。

正二十面体は、存在する5つの正多面体の中でも“最もバランスのとれた美しい立体”と言われています。

ROUSSEAU

ROUSSEAU(中山 茜)

存在感があり大好きな形なんですが、少しでも崩れると違和感が出てしまい、インテリアとしてカッコよくきまらない…。

なので、いちばん難しいのはガラスを正確にカットすること。その次は正確な角度で“はんだ付け”することですね。

結晶構造のガラスケースも制作していますが、“カルサイト”という鉱物は角度が101.9度と78.1度の菱形の組み合せ。

こちらも毎回、ガラスカットに苦心しています。

ROUSSEAU

ROUSSEAU(中山 茜)

なるべく余白も意識して配置

――テラリウムをおしゃれで美しくセッティングしつつ、長く楽しめるために制作するコツは?

テラリウムとして植物や鉱物を配置する際は、なるべく余白も意識した仕上がりになるようにしています。

前述したように、植物や鉱物の造形の美しさや面白さに注目すると、シンプルに仕上げた方がそれぞれの魅力が際立つというか…。

寄せ植えなどとはまた違った感覚で、単体のカタチを愛でるようなイメージでしょうか。

多肉植物をテラリウムとして管理する場合、水やりは月に1度ほどで手間いらずです。

しかし、ある程度の日光と風は必要なので、週に1回はじっと観察する時間を持つようにすれば(植物の)変化にも気付きやすくなり、長く楽しめると思います。

初めはテラリウムを知ってもらいたくて

――テラリウムのワークショップを開催されていますが、まったくの初心者でも参加できますか?

ワークショップではROUSSEAUの容器に、多肉植物と鉱物・木の実・貝などを組み合わせたテラリウムを制作していただいています。

ROUSSEAU

ROUSSEAU(中山 茜)

鉢植えとは少し違った土の入れ方と配置のアドバイスを参考にしてもらって進めますが、工程はシンプルなものです。

参加される方々はまったくの初心者が多く、小学生のお子様もいらっしゃいました。参加費用は3千〜4千円程度です。

ROUSSEAU

ROUSSEAU(中山 茜)

初めは“テラリウム”を知ってもらいたくて始めたんですが、最近は認知度も上がってきたので、今後は“はんだ付け”で容器を作るところから制作するというワークショップも開催してみたいですね。

――今後の活動に関して教えてください。

これまでにジオラマ作家の時計荘さんや布花標本作家のutopianoさんなど様々な作家さんの作品と、ガラスケースを組み合せた展示を開催させていただきました。

ROUSSEAU

ROUSSEAU(中山 茜)

“ガラス容器”の様々な可能性を感じたので、今後もいろいろなアーティストの方々とコラボレーションできたらなと思います。

ボーダレスな表現できるのが魅力

現在は、植物を専門にされている方と新たなアイテムを検討中とのこと。

「こういったボーダレスな表現できるのはガラス容器の魅力ですね」と語っている中山さん。

ROUSSEAU

ROUSSEAU(中山 茜)

9月15日(木)から30日(金)まで、東京の“etc. JOURNAL STANDARD(エトセトラ ジャーナル スタンダード) 吉祥寺店”でポップアップイベントを開催。

ガラスケースや水耕栽培ベース、テラリウムなどの展示販売をするという。

また彼女の作品は、展示販売のイベント以外にもホームページに掲載されているSTORE LISTの店舗やWEBSHOPから購入することができる。

ROUSSEAU

ROUSSEAU(中山 茜)

中山さんのテラリウム作品やワークショップ、ガラス作品が気になる方は、ぜひSNSをフォローしてみてはいかがだろうか。

Twitter: @LaPliocene
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Instagram: @rousseau.akane