■連載/ペットゥモロー通信

Dr.林のわんこの処方箋

子犬を迎え入れるのに最適な時間帯とは?

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子犬を手に入れるタイミング、つまり家に連れて帰るのに最適な時間はあるのでしょうか?実はあるんです。やはり昼間に連れて帰った方が良いのです。これは、ペットショップであろうとブリーダーだろうと、友達からもらっても、どんな時でも同じです。なぜかというと、どんな子犬でも、親犬や兄弟や仲間から離れた日は寂しがるし、別の環境に移されるだけでも、かなりのストレスを受けるものなのです。

夜に連れて帰った場合、そのあと人間(飼い主)は寝てしまうので、新しい環境になじむ間もなく、子犬は独りぼっちにされてしまいます。そのため、寂しさと不安のあまり、一晩中泣き明かされることもあるのです。

そんな問題も、昼間に子犬を迎え入れれば、解決してしまいます。昼間なら、夜、人間が寝静まる頃までに、かなりの時間があるので、子犬は辺りの様子に慣れることができます。

それと重要なことがもう一つあります。子犬が鳴き叫んでも、“よしよし”とか“いい子にしていなさい”などといちいち声をかけてはいけません。ましてや“静かにしなさい”と怒ってはいけません。こうしてしまうと子犬は「おっ、鳴けばコイツかまってくれんじゃん」と調子に乗って、度々、泣き叫びます。このような場合は、無視!が一番です。これは教育の一環、いわゆるしつけ、ということになるのです。

また、子犬を引き取る時に、前の飼育環境下で使っていた、タオルやおもちゃなどを一緒にもらってくるのも良いでしょう。匂いの世界に暮らしているワンちゃんにとって、嗅ぎ慣れた仲間の匂いは、不安を鎮めてくれる働きもするんです。トイレや床敷も、ペットシーツを使用していたのか、新聞紙か、タオルかなど、ちょっとした違いで子犬はストレスを感じるので、とりあえず連れて来た日から数日は、前と同じ物を使用するのが良いでしょう。もちろん、環境に慣れたら、自分なりに色々とコーディネートしてあげましょう。

それと、連れて帰った当日、ついついやりがちなのが、可愛さのあまり、子犬をいじりまわしてしまうことです。これは特に、幼児のいる家庭で注意が必要です。子供が「カワイー!!」「さわらせてー!!」「次、僕。次、僕ーっ!!」ってことになると、ただでさえ独りになって精神的に疲れているのに、さらに抱きしめられたり、誤って落とされたり、休む間もなく触られると子犬にとってはかなりのストレスになってしまいます。

とにかく、最初に子犬が来た日は、あまり子犬には構わず、しかし、無視したりもせず、微妙な距離をおいて接するのが重要です。この微妙というのが大切で、以前診察に来た子犬がめちゃくちゃガリガリで、触ろうとすると怒る、ということがありました。よくよく聞いてみると買ったショップに言われたとかでワクチンが済むまでは触ってはいけないし、この中に入れとかなければいけない、ということでした。“この中”って、子犬を連れて帰るときのダンボールで出来た入れ物ですよ!こうなると虐待以外の何物でもありませんので注意ししてくださいね。

教訓:

一、 ワンちゃんを迎え入れる当日は、昼間の内に連れ帰るべし!!
二、 当日は、あまり構わず、時々、声をかけてあげる位で、十分リラックスさせ、環境に早く慣れさせてあげるべし!!
三、 触らなければいい、ってものでもないので、適度な距離を保ちましょう!!

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文/林 文明(はやしふみあき)

1988年北里大学獣医学修士課程修了。1998年コロラド州立大附属獣医学教育病院に留学し、欧米の先進動物医療を学ぶ。現在は、山梨・東京・ベトナムで5つの動物病院を経営。獣医師、日本動物医療コンシェルジュ協会代表理事。
日本動物医療コンシェルジュ協会
http://www.jamca.gr.jp/
ノア動物病院
http://www.noah-vet.co.jp/

構成/ペットゥモロー編集部