ソウルの日本大使館前に設置された慰安婦少女像を制作した韓国の彫刻家が、小型の少女像を作り始めた。慰安婦問題は昨年末、日韓両政府間で一応決着したが、韓国内では不満が根強く、少女像は各地に拡散していきそうだ。写真はソウルの日本大使館前の慰安婦像。

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2016年9月3日、ソウルの日本大使館前に設置された旧日本軍の従軍慰安婦を象徴する少女像。制作者の韓国人彫刻家が「小型の少女像を作ってほしいという依頼が殺到している」と明かした。慰安婦問題が昨年末、日韓両政府間で一応決着したにもかかわらず、韓国内では不満が渦巻く。少女像は各地に拡散していく勢いだ。

日本大使館前の少女像は11年12月、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)が日本政府に謝罪を要求して歩道上に設置した。高さ約120センチのブロンズ製。韓国では「平和の少女像」と呼ばれる。椅子に座っている少女は素足で何も履いておらず、強制的に連れて来られたことを意味するという。

少女像をめぐっては、昨年12月の日韓外相会談で韓国政府が「適切に解決されるよう努力する」と約束。韓国側が元慰安婦を支援するために設立した「和解・癒やし財団」に日本政府が10億円を拠出することが決まるなど、撤去に向けた環境が整いつつある。岸田文雄外相は8月24日に行われた韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相との会談で、少女像の撤去を含め、昨年末の合意を着実に実施するよう改めて要請した。

しかし、韓国内には日本大使館前からの撤去に反対する声が強く、聯合ニュースによると、韓国外務省当局者は「今は少女像問題を論じたり、この問題を関連団体と協議したりする状況ではない」などと指摘。引き続き消極的な態度に終始している。

ソウルの韓国統監官邸跡地では8月29日、旧日本軍の慰安婦を追悼する公園「記憶の場」の除幕式が行われた。日本大使館前の少女像の移転先としても取りざたされているが、公園関係者は「だれも動かすことはできない」と述べ、追悼公園への移設案に反対する立場を表明した。

こうした中、中央日報などによると、少女像を制作したキム・ソギョン、キム・ウンソン夫妻は8月末、東京で開かれた日本の市民団体との対談で「慰安婦問題をめぐる現在の状況に怒った者たちがあまりにも多く、韓国だけではなく世界各国の同胞から数えきれないほどの電話が来ている」と強調。「韓日両国政府の慰安婦合意後、小さい少女像を作って世界各地に送ったり家ごとに少女像を置きたいという意見があったりして小さいサイズの少女像を作っている」と話した。

「小さな少女像」は、日本側の少女像撤去要求に対して、夫妻が少女像を世界各地に広めるために計画したプロジェクト。 少女像を10センチ、20センチ、30センチの3種類の大きさで作り、慰安婦被害女性のために寄付金を出した人たちにプレゼントする。夫妻は「46時間で目標額1億ウォン(約900万円)を突破するなど反応が非常に熱くて驚いた。慰安婦問題が解決されるまで少女像拡散運動を続ける」と意気込んでいる。(編集/日向)