ドイツ・ロマンティック街道の珠玉の街、ディンケルスビュール。

旅客列車が運行していないこともあって、お隣のローデンブルクに比べのんびりとした空気が流れる穏やかな街です。

ディンケルスビュールを訪れるなら、ぜひともおすすめしたいのがこの街での宿泊。

というのも、夜になるとディンケルスビュール名物、中世の街を守った「夜警」に出会えるからなんです。

中世の時代、夜警は、酒場が営業時間を守っているか、火事や事件は起きていないかなどを見回る役目でしたが、現在は観光客を楽しませてくれる有名人として親しまれています。

夜警に会えるのは、5〜10月の毎日と、11〜4月の金・土曜日。21時にディンケルスビュールのランドマーク、聖ゲオルク教会の前に現れます。筆者が訪れたときは20時50分ごろに登場したので少し早めに行くといいかもしれません。

この時間帯のディンケルスビュールの街は、あたたかいオレンジ色の光に照らされ昼間とはまた違った風情があります。

マント姿に角笛とカンテラをもった夜警は、中世の面影を色濃く残すディンケルスビュールの街によく似合います。現在ディンケルスビュールには60〜80代の5名の夜警がおり、交代で任務を務めているのだそう。

街のおもなホテルや見どころを一緒に周りながら、街の歴史や各スポットの説明を聞かせてくれるツアー方式。参加費は無料ですが、最後にチップを渡す参加者が多いです。


説明はドイツ語ですが、ドイツ語がわからなくても、雰囲気を味わうだけで十分楽しめます。

最初から最後まで参加した場合、所要およそ一時間半。思いのほか本格的なツアーなので歩きやすい靴と、夏であっても夜の冷え込みに備えて羽織れるものを用意しておくといいでしょう。

特に印象的なのは、各ポイントで聞かせてくれる角笛と、夜警の歌。日が暮れて、ひっそりとした中世の街に響く角笛と歌声は、なんともいえないほど情緒たっぷりで心に染み入ります。

中世の時代には、夜警は時計代わりに歌声で人々に時間を知らせ、角笛で事件があったことを知らせていたのだとか。

立ち寄るホテルやレストランでは、夜警の声を聞きつけたスタッフがワインやビールを持って来てくれ、参加者も含めみんなで回し飲み。

ドイツといえばビールのイメージが強いですが、南部を中心にワインの産地でもあり、店ごとにまったく違った味わいが楽しめます。

夜警が登場すると、それまで食事を楽しんでいたレストランのお客さんも大盛り上がり。皆そろって夜警の角笛と美声に耳をすませます。

夜警を中心に街が一体になったかのようで、和気あいあいとした雰囲気がたまらなく心地よく感じられます。


この「夜警ツアー」に参加すれば、ディンケルスビュールが守り続けてきた夜警の存在がいかに大きなものであるかを実感することができるはず。

この街に宿泊した人だけが知っている、ロマンティック街道の神髄を味わってみてください。

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