日本の国連安保理常任理事国入り強く反対する中国。安倍首相がアフリカ開発会議(TICAD)で安保理改革に言及すると、敏感に反応し批判している。資料写真。

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2016年9月2日、日本が常任理事国入りを目指す国連安全保障理事会。これに強く反対するのが中国だ。8月末、ケニアで開催されたアフリカ開発会議(TICAD)で、安倍晋三首相が常任理事国入りを念頭に安保理改革に言及すると、「日本は私利を追求」と批判するなど、敏感に反応している。

外務省は日本が常任理事国入りを目指す理由として「第2次世界大戦直後の世界を反映した安保理の構成を今日の世界の現実に合致したものに改革することで、安保理の意思決定には、より大きな正当性、信頼が国際社会から付与される」などを挙げる。国連は第2次大戦の戦勝国を中心に発足した。常任理事国入りは、敗戦国の歴史を清算したいとする日本外交の悲願でもある。

05年にはやはり常任理事国入りを望む地域大国のドイツ、インド、ブラジルと組んで、4カ国グループを結成して安保理改革のキャンペーンを張った。しかし、ドイツにはイタリアが、インドにはパキスタンが、ブラジルにはアルゼンチンとメキシコというライバル国がそれぞれ難色を示した。日本の場合は韓国が反対した。

中国の反対が目立つようになったのは、特に12年12月に第2次安倍政権が誕生してから。14年9月の国連総会で安倍首相が常任理事国入りを目指す考えを表明したのに対し、中国政府の立場を代弁する国営メディアは「日本は第2次大戦の侵略国、ファシズム国であり、アジア太平洋を侵略し、野蛮な植民地支配をした。日本は国連憲章の定める『旧敵国』だ。常任理事国入りする資格を持たない」などと指摘した。

さらに「新たな常任理事国は平等と友好、私利を捨てた合理的な態度と政策によって、他国に対応できる国でなければならない」と強調。「日本は中国と釣魚島(日本名・尖閣諸島)、韓国と独島(日本名・竹島)の領有権を争っている。この2つの島しょはいずれも日本が植民地支配の時代に、拡張と侵略を行った場所である」と非難した。

TICAD首脳会議の基調演説で、安倍首相は「アフリカは常任理事国を送り出しているべき。国連安保理の改革こそは日本とアフリカに共通の目標」と呼び掛けた。日本の常任理事国入りには直接触れなかったが、中国外交部の華春瑩報道官は早速、「日本はアフリカ各国に自らの考えを強要し、私利を追求して、中国とアフリカの間にもめごとを起こさせようとした」と批判した

中国共産党中央委員会機関紙・人民日報系の環球時報は「安倍首相の派手な援助ショー」と冷ややかに報道。国営新華社通信も専門家の分析として、常任理事国入りのための協力、資源や軍事拠点の確保を狙った「経済、政治的な雑念と軍事拡張の野心を隠し難い」と伝えた。

安保理改革には拒否権を持つ米国、英国、フランス、ロシア、中国の5常任理事国を含む国連加盟国の3分の2の賛同が必要。中国が首を縦に振る可能性はまずなく、日本の常任理事国入りの道は果てしなく遠いようだ。(編集/日向)