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 吸血鬼といえば、海外に昔から伝わる怪物である。

 普段は日の光を避けて墓場などで眠りについているが、夜になると本性を現しコウモリや霧に姿を変え、人間の側に近づき血を吸って殺してしまうと言われていた。

 勿論、現代では吸血鬼は伝説上の存在でしかないと判明しているが、割と最近の19世紀末に「吸血鬼が実在した!?」とされる事件が起きた。1880年、アメリカはロードアイランド州エクセターでのこと。

 平凡な一家であったブラウン家で、家族が続いて結核を発症し倒れるという事件が起きた。結核は現代でも死の可能性がある強力な伝染病である。ましてや治療法も確立しておらず、衛生環境も現代より悪い当時は不治の病として恐れられていた。初めに発症した妻のメアリーは程なくして死亡、数年後に長女のメアリー・オリーブが、その三年後に妹のマーシーも結核によって死亡。彼女の2か月後に兄のエドウィンも結核にかかってしまった。

 結核は非常に強力な感染症のため、一つ屋根の下で暮らす家族が相次いで病気になってしまうことは十分に考えられる事だったのだが、当時は現代ほど医学が進歩しておらず一般人の知識も乏しかった。また、民間伝承や迷信も根強く残っていたため、ブラウン家には何らかの要因で不幸が引き起こされているのではないか、と噂されるようになった。そのうち、「先に死んだ家族の誰かが実は吸血鬼であり、家族を衰弱させて一人ずつ殺していったのではないか」と噂はエスカレートし、主人のジョージは村人達と共に亡くなった妻子の墓を暴く事にした。すると、既に埋葬して2か月は経っているはずのマーシーの遺体は、まるで生きているかのような姿だったのである。しかも、髪や爪は埋葬時よりも伸びていた。マーシーは実は吸血鬼だったのか、と思った村人達はマーシーの遺体から心臓を取り出して燃やした。しかし、エドウィンの病状は回復することなく、数か月後に亡くなったと言われている。

 現代では病気の知識がなく迷信が勝って集団ヒステリーのような状態になった結果起きた騒動だと見られている。しかし、今も墓地にブラウン家の人々の墓は残されており、夜な夜な墓地をさまよい歩くマーシーらしき姿も目撃されているという。

文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所