寄生虫のサナダムシの駆除薬がジカウイルスの増殖を阻止する効果があることがわかった。この薬は50年前から広く処方されており、人体に安全であることが確認されているため、ジカ熱の治療薬の開発がスピードアップすることが期待されている。

米ジョンズ・ホプキンス大学のチームが、英医学誌「ネイチャー・メディスン」(電子版)の2016年8月29日号に発表した。

50年前から世界中で使われ、妊婦にも安全

研究チームは、有効性が確認されればすぐに利用できる治療薬を見つけるため、米食品医薬品安全局(FDA)に認可されているか、または臨床試験中の化合物約6000種類を、ジカウイルスに投与し効果を調査する室内実験を行なった。その結果、50年前からサナダムシ(条虫)の駆除薬として世界中で使われている「ニクロサミド」がジカウイルスの増殖を阻止することを発見した。

ジカ熱は主に蚊の媒介や性的接触によって感染し、特に感染した妊婦の胎児に重度の障害をもたらす危険性が問題になっているが、ニクロサミドは妊婦にも安全であることが示されている。

研究チームリーダーの宋紅軍・同大教授(ウイルス学)は、AFP通信の取材に対し、「現在の国際的緊急事態では待っている時間はない。通常は、動物実験を重ねた後に人体への臨床試験を行なうなど、治療薬の安全性を確認するまでに10年はかかるが、ニクロサミドの安全性は過去に証明されているので、この過程を大幅に短縮することができるでしょう」と語っている。