高級な宝石や時計、炊飯器、温水洗浄便座、医薬品など、中国人旅行客による爆買いの対象は常に変化しているが、今度は日本旅行における宿泊の定番「温泉旅館」が爆買いされているのだという。中国メディアの同花順財経はこのほど、日本の温泉旅館が中国人によって買収されている実態について紹介する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 高級な宝石や時計、炊飯器、温水洗浄便座、医薬品など、中国人旅行客による爆買いの対象は常に変化しているが、今度は日本旅行における宿泊の定番「温泉旅館」が爆買いされているのだという。中国メディアの同花順財経はこのほど、日本の温泉旅館が中国人によって買収されている実態について紹介する記事を掲載した。

 記事は、日本の温泉旅館について、「美しく素朴な場所であり、古き良き日本を体感し、親切にあふれたおもてなしを感じることができる」と描写。中国人に非常に人気で、日本旅行に欠かせない定番コースになっていると紹介した。中国にも一部の地域で温泉はあるものの、わびさびや細やかなサービスは日本でしか体験できないと言えるだろう。しかし日本の地方における温泉旅館は、経営難や継承者不足に悩まされているのが現実だ。

 そこに目を付けたのが中国人投資家たちだ。彼らにとって、日本の不動産は今が買い時のようだ。4年後の東京五輪、交通の利便性、民度の高さ、清潔さ、中国からの距離、利益率、日本では外国人の不動産買収が禁止されていないことなど、どれをとっても魅力的だという。なかでも温泉旅館は人気で、「高値で取引」されているという。

 記事は、北海道のリゾート施設の買収、中国の旅行会社による伊豆のホテル買収などの事例を紹介。中国資本になった日本の旅館やホテルは、中国人旅行客で部屋が埋まり、一気に黒字に転じているものの、客室で提供していた朝食はビュッフェになり、宴会場は客室に代わり、駐車場がバス専用になるなど、中国人客に合わせた仕様となって日本人客が激減しているのが現状だという。専門家は「ビジネスホテルの理念で旅館を経営している」と指摘し、肝心なおもてなしが置き去りになっている現状に警鐘を鳴らした。

 このままでは中国人旅行客がわざわざ日本まで温泉を楽しみに来たのに、旅館の内部は中国人だらけ、オーナーも中国人、サービスも中国式ということになりかねないだろう。日本の伝統的なおもてなしの心を体験したい中国人旅行客はこれで本当に満足できるのだろうか。日本の伝統的な温泉旅館が危機に瀕しているといえるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)