【育児相談】性格のキツイ娘を、思いやりのある子に育てるには!?

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育児に悩みは尽きないもの。ママたちの悩みに、子どもの「発達心理」の研究をされている菅原ますみ先生(お茶の水女子大学教授)がアドバイスします。

【相談】

6才の娘は4月2日生まれ。年長さんの中でもいちばん年上で、親の目から見ても「しっかりしている」と感じます。でもあるとき幼稚園の先生に、「まるで先生のように、お友だちをキツくしかっている」と言われました。わたしに対しても、言い方がキツイと思っていましたが……。

確かに娘の言うことは正しいし、責任感もある子です。そこをいい形で伸ばしてあげたいのですが、自分より弱い子、頼りない子を見下すようにはなってほしくはありません。

(6才女の子のママ)
早熟な子はキツい子に思われがちです
実はわたし自身も4月生まれ。この相談を読んで「もしかして私のこと?」と思いました(笑)。

大昔の幼稚園時代ですが、わたしはよく覚えています。年中で入園したわたしは、その時点ですでに5才。ちょっと前まで3才だった子がまわりにいっぱいいいて、ボタンはとめられない、帽子はかぶれない……。張り切ってその子たちの着替えを手伝い、ママそっくりの口調で「もう、ダメじゃないの〜」なんて言っていました。

お子さんも自分より少し幼くみえるお友だちが気になって、ついあれこれ口出しをしてしまっているのかもしれません。もう少し詳しく幼稚園での様子を先生に伺ってみましょう。「お友だちを助けてたい」、 「自分にできることをやってあげたい」という親切な感情からでた言葉や行動なら心配いらないと思います。
実際のやりとりを聞いてから、対策を打って
お子さんの言動が、どの程度キツイのか、どんな場面ででてくるのか、ご自分の目と耳で確認してみるといいですね。家にお友だちを呼んで遊ばせてみると、どんな口調で話すのかがわかると思います。

もしも幼稚園の先生の言うようにキツイ言い方をしているなら、まずはその場でストップをかけてください。ただし口調はあくまで優しく、「そんな大きな声で言うと、○○ちゃんがビックリしちゃうわよ。やさしく教えてあげようね。」と指摘しましょう。このくらいの年齢の子は、時間がたってから注意しても何を言われているのかピンときにくいのです。
日常的にかかわる大人の口調を見直すことも大事
大人が日常的に、優しい言い方を意識することも必要です。幼児期は、親や先生など、身近な大人を模倣しながら社会性を発達させていく時期です。子どもの言葉づかいを変えたいのであれば、まず親が変えていくことが大切です。

子どもの言葉づかいを指摘するとき、「まったくあなたは! なんでそんな怖い言い方をするの!­」と、子ども以上にキツイいい方をする人もいますが、それでは逆効果。あくまで優しく諭してあげることで、子どもは「優しい言い方でも、相手に伝わるんだ」ということを学びます。ママのキツい言い方をそっくりそのまま、お友だちに向かって使っていることも、同性である女の子の場合にはよくあります。ママ自身の言い方もちょっと振り返ってみて。
幼稚園時代の「お山の大将」が一生続くわけではない
いまは多少、お山の大将になっていたとしても、小学校、中学校と成長していく過程で子どもは変化します。自信を失ったり、取り戻したりしながら大人になります。このくらいの年齢であれば、早生まれ(4月・5月など)の女の子がダントツのリードですが、小学校高学年くらいから男子もスイッチが入ってきますので、立場はまた変わっていくこともあるでしょう。いま幼稚園で仲間外れになってしまっているなどの問題がないのであれば、少し長い目でみてあげましょう。

お子さんの行動の背景にある「相手を心配する気持ち」を、上手にのばしてあげてください。

Profile

お茶の水女子大学人間発達教育科学研究所所長、基幹研究院人間科学系教授。子どものパーソナリティー発達と精神病理を専門とし、0才〜30才までの発達を追う、日本では数少ない長期にわたる縦断研究をおこなう。働きながら子どもを育ててきた先輩ママでもある。

取材・文/神 素子

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