ホームでまさかの黒星スタート。暗雲漂う日本代表の行方を、韓国人記者たちも案じていた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 ソウル・ワールドカップスタジアムで行なわれたロシア・ワールドカップアジア最終予選グループBの韓国対中国。試合終了後の両国監督の記者会見の開始を待つ間、韓国記者たちの話題はグループAの日本対UAE戦のことで持ちきりだった。「日本が負けたらしいが、本当か!?」と尋ねて来るものもいたほどだった。
 
 そうした反応は各メディアの速報記事のタイトルにも表れていた。「日本、ホームでUAEに1-2の痛い逆転負け」(一般紙『ソウル経済』)、「本田が先制ゴールの日本、UAEに逆転負け」(ネット媒体『OSEN』)。各メディアが日本の敗北に驚きを隠せなかった。
 
「岡崎慎司、本田圭祐、香川真司、長谷部誠など最精鋭メンバーで臨みホームで勝利するという意地を示すはずだった」としたのは、『エクススポーツ』だ。欧州組を多数揃えた布陣でも黒星を喫してしまった日本を、同メディアは「逆転負けの日本、最終予選で不安な出発」と紹介した。
 
「日本がホームで衝撃的な逆転負けを喫した」としたのは、サッカー専門メディアの『インターフットボール』だ。「“最精鋭の日本”、UAEに1-2の衝撃負け、不安な出発」と題した記事の中でこう綴っている。
 
「試合は明らかに日本が主導した。日本は60パーセント以上のボール占有率があり、シュートもまた一方的に多かった。しかし、UAEの守備は堅く、日本はそれを崩せなかった」
 
 そんなまさかの展開に苦言を呈した日本のサポーターやネットユーザーたちの反応を拾った記事もいつかの媒体で報じられている。
 
『金鋼日報』は「日本、UAEにホームで逆転負け、日本本土に“衝撃と憤怒”」と題した記事の中で、日本のネットユーザーたちの反応を詳しく紹介。「この日の試合を見た日本のファンたちは、日本代表に非難の矢を注いでいる。特に香川真司がもっとも論乱の対象になっている」とした。
 
『デイリーアン』などは「UAEに逆転負けの日本、世代交代への弾力となるか」という記事の中で、こんな予想もしている。
「日本は世代交代の必要性に迫られる危機に見舞われた。エースの本田と岡崎などは満30歳を過ぎ、後半に体力低下に苦しんでいる。また、所属チームで主力ではないこともあって競技感覚も落ちる。世代交代の問題点を回避しヨーロッパ組に固執するハリルホジッチ監督に対する批判の声も途切れることがない」
 
 もっとも、日本の衝撃的な敗北の一因として誤審があったことも伝えられている。『インターフットボール』は「ロシア行きの第一歩、“アジア・ビッグ4”は日本だけ泣いた」と題した記事の中で、こう記している。
 
「試合後、日本は敗北の責任を審判に回している。実際、審判の判定は論乱になるに値した。浅野のシュートはゴールラインを割ったが、主審はそのまま試合を続けた。日本の選手たちは強く抗議したが、試合はそのまま終わってしまった」
 
 ただ、こんな一文も追加されていた。「日本は笑えなかった。審判の判定が論争に上がっているが、いずれにしてもホームで爽快な勝利を挙げられなかった競技力だったことは確かだ。最精鋭メンバーが出撃したが、日本は膝をつき不安な出発となってしまった」と。
 
『スポーツQ』の論調もこれに近い。「UAEに逆転負け、衝撃に見舞われた日本列島、6大会ワールドカップ危機?」と題した記事の中で、同メディアは「日本サッカーの敗北は衝撃そのものだ」としつつ、最後をこう締めくくっている。
 
「日本は今後、オーストラリア、サウジアラビアなど手強いチームと競争しなければならない。日本がその混戦を勝ち抜くことができなければ、1998年フランス・ワールドカップ以降続く本大会連続出場が挫折するかもしれない」
 
 いずれにしても大事な初戦を落としてしまった日本の行方に関して、今後も韓国で都度詳しく報じられていくだろう。敵地で迎えるタイ戦についても韓国メディアの反応を紹介したい。
 
文:慎 武宏(スポーツライター)
 
シン・ムグァン/1971年、東京都生まれ。韓国サッカー取材歴20年。近著に歴代コリアンJリーガーへのインタビュー集『イルボン(日本)はライバルか 韓国人Jリーガー28人の本音』(ピッチコミュニケーションズ)。