正確なFKで先制点をアシストした清武(13番)。しかし、流れのなかでは本領を発揮し切れず、香川(10番)との“ホットライン”も見られなかった。写真:サッカーダイジェスト

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[ロシアワールドカップ・アジア最終予選]日本 1-2 UAE/9月1日/埼玉スタジアム

【W杯最終予選PHOTO】日本 1-2 UAE|本田の先制ゴールも痛恨の逆転負け…
 
 前線3枚の「左」で先発した清武弘嗣は、正確なプレースキックで本田圭佑の先制点をアシストした。一方で、攻撃にアクセントを加え切れなかったというのが正直なところだ。
 
 UAE戦における前後半のプレー回数は計33回。(※セットプレーは除く)。前半22回、後半11回という数字を残したなかで、目立っていたのが相手の右サイドに空いたスペースを突いたプレーだ。
 
 マッチアップしたUAEのDFモハメド・アハマド・ガリブは、縦へ攻め上がる傾向があったため、清武の前方には試合の序盤からスペースが生まれていた。比較的“自由”にプレーできたなかで、前半には流れのなかから2度の決定機を導いている。(17分:岡崎慎司へのラストパス→シュート36分:香川真司へのラストパス→シュート)
 
 ただ残念なことに、時間の経過とともに存在感が希薄になっていったのも確かで「(清武は)火曜日に合流したばかりで、50〜60分が限度だろうと思っていた」(ヴァイッド・ハリルホジッチ監督)と言うように、コンディション面への不安があらわとなった。
 
 実際、前半の20分までは約2分に1回のペースでボールに絡んでいたが、以降はその間隔が開いていき、36分の香川へのラストパス以降は、味方との効果的なパス交換を見せぬままハーフタイムを迎えた。
 
 仕切り直した後半は、62分に宇佐美貴史と交代するまでの17分間で、約1.5分に1回のペースでボールを受けていたが、中央を固めた相手守備陣を崩すまでには至らない。結局「FWとしてのプレーを望んでいたが、後ろを向いていた」(ハリルホジッチ監督)とも評価され、期待に沿えぬままピッチを後にすることになった。
 
 また、この試合では、「同じイメージを持っている選手」という香川との共演を果たしたものの、互いの連係で脅威を示し切れなかったのも誤算のひとつだったろう。
 
 清武から香川へ、もしくは、その逆でのパス交換は、前半3回、後半2回の計5回。6月のキリンカップ・ブルガリア戦では適度な距離感を保ち、良いリズムでパスをつなぎながら相手ゴールへ迫るシーンを見せていたが、香川を徹底してケアされてしまった影響もあり、そういった場面は見られなかった。
 
 結局、清武がこの試合で輝いたのは、「狙いどおり」にファーサイドを狙った先制FKの場面のみ。「自分自身不甲斐なかった。もっとできんじゃないかと思う」と自ら振り返ったように、流れのなかで違いをもたらせなかった印象は拭えない。
 
取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)