世は今まさに、立ち飲み戦国時代。有名店や業界キーマンたちも次々と進出し、時代の気分を見事に捉えた意欲的なチャレンジで、食の新たなスタイルとポジションを確立しつつある。そして今後は個々の真価が問われる第2ステージへ。この立ち飲みの乱世を勝ち抜くのはどのお店? まずは、立ち飲み会の風雲児と言っても過言ではない、ニュースタイルな3軒をご紹介!



トラックの中とは思えないゴージャス空間。昼と夜で変わる雰囲気のギャップも魅力だ
旅する気分で楽しめる。進化形クラフトビアバー『EL CAMION』

アメリカで人気沸騰の「フードトラック」。この注目のフードカルチャーが新スタイルで日本に登場! それが狒るクラフトビアバー〞こと、『EL CAMION』だ。

仕掛けたのは、天王洲で自社ブルワリー『T.Y. HARBOR BREWERY』を展開するタイソンズアンドカンパニー。アメリカから直輸入した大型トラックを独自の世界観で改装。都会的でエキゾチックな空間一杯に大型バーカウンターを設え、まるで異国のバーに迷い込んだような怪しくも心地よい感覚が楽しめる。



とうもろこしの粉で作った生地にポークとビーンズ、チーズを詰めて焼いた「ププサ」。クラフトビールとも合う

そんな移動式クラフトビアバーで味わえるのは天王洲直送の自家製ビールと中南米のカジュアルフード。日本ではまだなじみの薄いエルサルバドル料理「ププサ」をはじめ、気軽ながらも本場の味にこだわったメニューは、同じく同社が擁する高感度フードラボ「BOND ST.KITCHEN」の自信作だ。

気になる出没先はというと、ビア&音楽フェス、スポーツイベント、キャンプ場など、美味しいビールを求める場所ならどこへでも! 貸し切りパーティの相談にも応じるそうなので、ご用の向きはぜひ。

単に食べ物を販売するだけの移動販売車とは一線を画し、スタンディングバーを丸ごとトラックに詰め込んだ新業態。神出鬼没のその行方はSNSで追っかけて!



スパイスを効かせたチキンをトルティーヤで挟んだ「ケサディヤ」。じわじわくる辛さがたまらない。写真は料理の一例
※メニューは季節などによって変動あり。



『T.Y.HARBOR BREWERY』でも人気のクラフトビールが豊富に揃う



コールスロー、プルドBBQポーク、オリジナルBBQソースを重ねた「BBQパフェ」。写真は料理の一例



側面のガラスドアを開けばオープンバーに変身。風が気持ちイイ



壁一面には『T.Y.HARBOR BREWERY』のビアラベルを加工したデザインが施される。自家醸造の無濾過ビールは「Pale Ale」「Wheat Ale」「Amber Ale」「India Pale Ale」「Porter」に「Brewer’s choice」を加えた全6種類



移動式クラフトビアバー。あなたの街に現れるかも!?


アートと立ち飲みがひとつになると、どうなる?



地下にある広いギャラリー。展示している酒器を、お酒を片手に眺めることもできる。お気に入りを探してみたい
酒器が肴の立ち飲みギャラリー! アートな発想で照らした日本酒との出合い『THE HANGAR』

中目黒


目黒川からほど近く、スタイリッシュなワインバーにも思えるここ。「それも狙いのひとつです」と笑うのは、店長で利酒師の相馬佳暁さん。実はデザインスタジオが、まったく違う発想から考えた立ち飲み店で、日本酒がメインなのだ。

「ギャラリーの運営や企画もしているため、陶芸の作家さんとは親しくさせていただいています。そんなことから、日本酒の文化を酒器と共に発信したいと考えました」と相馬さん。



アルコールは日本酒のみというこだわりぶり。夜な夜な酒好きな若者が集う

従来の渋い居酒屋ではなく、外国人も入りやすい雰囲気にしたかったという。そこで日本酒はワイングラスでサービス、生ハムやチーズなどを置き、BGMはレコードに。

フロアの奥の階段を下りると秘密基地のようなギャラリーがある。錫の酒器を作るワークショップを開催したり、酒器を展示販売することもあり、購入した器をキープして、使うことができる。



「牡蠣の自家製煎り酒蒸し」(3個)
※メニューは季節などによって変動あり。

日本酒はすべて純米。レギュラーが25銘柄、そのほかに季節で替わるものが25銘柄あり、日本酒好きに響くようにと、珍しいものや興味をそそるお酒を常に探している。

ギャラリーほどかしこまらず、ふらりと入って美味しい料理と日本酒でほろ酔いになれるギャラリーサロン。日本酒を通じて、アートを身近に感じるラフなスタイルが新しい。



蔵元から届く酒粕で作った「自家製酒粕アイスクリーム」。18年ものの古酒をかけて



左.好みの酒に合わせて作家の酒器を選んでキープしてみたい
右.日本酒にも作家にも詳しい相馬さん



夜な夜な人が集まり賑やかに盛り上がっている。現代的な縁台(カウンター)は涼しくなって来るこれからの季節に気持ちがいい


人気ビストロが日本酒立ち飲みをオープン!?



外からもよく見える小さな店内
フレンチシェフが手がける、人気ビストロから生まれた日本酒立ち飲み『日本酒bar 3bis』

水天宮前


人形町の人気ビストロ『イレール』がすぐ側に小さな立ち飲み店をオープン。意外なことに、ワインではなく日本酒というから、これまたユニークである。

「日本酒はよく飲みますし、好きですね」とニコニコ話すのは『イレール』の島田哲也シェフ。そんな日本酒への愛が詰まった店は、酒器や日本酒のセレクトも隅々まで行き届いている。



ふわふわの食感の「フレンチ風海老しんじょう」。
※メニューは季節などによって変動あり。写真は一例

メニューはフレンチのテイストを利かせたお惣菜。たとえば、なま酢にフランボワーズビネガーを使ったり、エビしんじょうにハーブを利かせたり。レシピは島田シェフと奥様で料理家の島田まきさんのふたりで考えているそうで、クオリティの高さはさすがのひと言。

店を切り盛りするのはこれまた日本酒好きという3人の若女将。夜9時過ぎには島田シェフも顔を出すのでいっそう賑やかになる。温かい料理は目と鼻の先の距離にある『イレール』の厨房で仕上げて出前されるのもほほえましい。『イレール』で食べて「〆に日本酒を」と寄っていくツワモノも多いとか。

フレンチのビストロと日本酒の立ち飲み。この物理的にも気持ち的にも絶妙な距離感が、小さな店に、ただものじゃない存在感をもたらしている。



しっとりジューシーな「燻製鶏モモ肉の炙り焼き」。季節などによりメニューは異なる。写真は一例



〆にちょうどいい「トロトロ煮の豚バラ丼」。季節などによりメニューは異なる。写真は一例



意外な組み合わせが新鮮な「桜海老とうずら卵のコンフィ」。季節などによりメニューは異なる。写真は一例



鮮やかな色とフルーティな香りがきれいな「紅芯大根のなま酢」。季節などによりメニューは異なる。写真は一例



骨まで食べられる「あゆのコンフィ」は頭から丸ごと。季節などによりメニューは異なる。写真は一例



ワインにも合いそうな「ゴボウの赤ワインきんぴら」。季節などによりメニューは異なる。写真は一例



クセになる味の「鶏レバーの生姜煮」。季節などによりメニューは異なる。写真は一例



たっぷり野菜を食べたいときにぴったりの「野菜のコンソメ煮」。季節などによりメニューは異なる。写真は一例