「JIROのカウンターは、天国に一番近い席」とジョエル・ロブションが絶賛し、世界一のレストラン「NOMA」のレネ・レゼピが「想像していた鮨の概念を超える美味しさは、何と表現していいかわからない」と、世界のトップシェフたちをも魅了する「すきやばし次郎」の鮨。

 一昨年、世界公開されたドキュメンタリー映画「次郎は鮨の夢をみる」は、30か国以上で上映され、世界中の多くの料理人がその職人哲学に魅了された。この映画を見たオバマ大統領のたっての希望で、来日の際の来店に至ったのは有名な話。

 今やお客の7割は外国から、という世界一の鮨職人が、盟友・山本益博氏を監修に迎え、満を持して鮨の本を作った、と聞くとどんなに立派な本だろうと興味が高まる。ところが、その本とは意外にも文庫本より小さく、価格も1000円+税という超お手頃価格の、ハンディーサイズのハンドブック。そこには50年以上にわたって鮨を握ってきた小野二郎氏の鮨の哲学が凝縮されている。

「すきやばし次郎」が教える鮨の美味しい食べ方

「美味しい鮨を食べるには、美味しい鮨を出すのが半分、あとの半分はお客様の食べ方です。とにかく美味しく鮨を召し上がっていただきたくて、この本を作りました」と小野二郎氏。

 前半は、小野二郎氏の経験に基づく鮨種の解説を山本益博氏が紡いだ「すきやばし次郎」の鮨種の説明になっているが、これが通り一遍ではなく、どんなふうに「次郎」が日本の鮨の歴史を変えてきたか、という鮨の文化史のようにも読める奥深さがある。

「すきやばし次郎」が教える鮨の美味しい食べ方

 さらに、小野二郎氏が「どうしても伝えたかった」というのが「鮨を美味しく食べる」というページ。とくに外国からのお客さまにと、より美味しく鮨を食べる方法を伝えているが、づけ台の向こうから話しかけるような親身さで、日本人の私たちも知らなかった鮨の食べ方の秘訣を教えてくれる。すべてのテキストは英文でも表記されているので「すきやばし次郎」だけではなく、世界中のどこの鮨屋でも通用する内容になっている。

 掲載されている写真も美しい。昨年亡くなった名写真家・管洋志氏と泉健太氏の宝石のような鮨の写真は、小野二郎のにぎりの美しさを余すところなく表現して、半分は鮨写真集として愉しめる趣。

「すきやばし次郎」が教える鮨の美味しい食べ方

 巻末には、予約の取り方、ドレスコード、支払いなど、気になるインフォメーションも収録され、「すきやばし次郎」に行きたい人には必携。また、次郎に行きたいけど……という向きには、「Air JIRO」体験ができる一冊になっている。外国の方へのプレゼントにも最適だ。

『鮨 すきやばし次郎 JIRO GASTRONOMY』

『鮨 すきやばし次郎 JIRO GASTRONOMY』
(定価1000円+税、A6判オールカラー96P、小学館刊)

http://www.amazon.co.jp/dp/4093883858