プロゲステロン(黄体ホルモン)数値が低い原因と正常な数値に増やす方法

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妊娠を望む女性ならば誰もが黄体ホルモン(プロゲステロン)という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。黄体ホルモンは妊娠には必要不可欠なもの、しかしながらその値が足りない場合は、補う必要があります。今日はその方法についてお話しします。

プロゲステロン(黄体ホルモン)とは?

プロゲステロン(黄体ホルモン)とは、一言で言うと妊娠の成立および継続にかかせない女性ホルモンです。その特徴は、受精卵が着床しやすいように子宮内膜をフカフカな状態に整えたり、受精卵が内膜に着床した場合には、分泌を続けて子宮内膜のいいコンディションを保ち、妊娠の継続を助ける働きをします。他にも、体内の水分量を保つ、基礎体温を上昇させる、食欲を増進させる、乳腺を発育させる、などの働きもあります。

そのため、黄体ホルモンがとくに多く出ている排卵後から生理前の黄体期には、身体がむくみやすかったり、たくさん食べたくなったり、眠くなったり、胸が張ったりの症状が出ることが多いのです。プロゲステロン(黄体ホルモン)は女性の健康を守ってくれる大切なホルモンではありますが、その一方で体調としてあらわれる作用は、あまりうれしいものではないのです。

プロゲステロンの数値が低い=黄体機能不全

排卵期および黄体期には厚みをおびているはずの子宮内膜が厚くならず、受精卵が着床しづらくなっている(着床障害)状態を黄体機能不全といいます。プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が不足していて、たとえ運良く着床できたとしても、その後そのまま着床し続けて妊娠を継続することは困難になります。高プロラクチン血症(プロラクチンというホルモンの血中濃度が高くなる疾患)が原因で黄体機能不全を引き起こしている場合もあります。

高温期が短かったり、体温が低い場合は黄体機能不全になりやすく、治療法としては、ホルモン剤を投与して黄体期をのばします。

プロゲステロンの数値が低い原因と増やす方法

栄養素

やはり、ここでも栄養バランスのよい食事が大切です。好き嫌いをせず、なんでもまんべんなく食べる努力をしましょう。

とくに意識的にとりたい栄養素として以下があります。

[ビタミンE]

ホルモンバランスを調節する働きがあります。またビタミンEが不足すると男女ともに生殖能力が低下するとも言われています。

多く含む食品としては、アーモンドなどのナッツ類、うなぎ、いくら、かぼちゃ、ほうれん草、アボカド、小松菜、オリーブオイルなどがあります。

[ビタミンC]

毛細血管に働きかけ、機能を正常に保ち、排卵に効果があるとされています。

多く含む食品として、みかん、レモン、柿、いちご、キウイフルーツ、パイナップル、じゃがいも、カリフラワー、ブロッコリー、パプリカ、キャベツなどがあります。

[鉄分]

貧血になると黄体機能不全を引きおこしやすくなります。

多く含む食品として、ひじき、海苔、しじみ、ごま、大豆、レバー、ほうれん草、プルーンなどがあります。

体型チェック

極端な太り過ぎも、やせすぎもそれぞれ原因となります。

[太り過ぎの場合]

肥満の女性の多くはホルモンサイクルに異常をきたしていることが多く、そのために無排卵などの排卵障害を引き起こす可能性が高いといわれています。体重が増加して高血糖の状態がつづくと他にもさまざまな病気や合併症を引き起こします。

かといって、極端なダイエットは禁物です。間食を減らし、バランスの良い食事と適度な運動で1ヶ月に1〜2キロ程度のゆるやかな減量を心がけましょう。

[やせすぎの場合]

極端にやせているのもよくありません。必要な栄養が十分に取れていないと、生殖機能が低下し、生理不順になったり、生理がきても排卵がない無排卵月経がおこることもあります。また鉄欠乏性貧血にもなりやすく、貧血はプロゲステロンの分泌を不足させ着床障害をひきおこす原因になります。また急激なダイエットでやせすぎた場合は排卵障害がおこることもあります。

やせすぎの人は、食生活を見直し、タンパク質を含む食品を中心にバランスよく食べる量を見直しましょう。

早寝早起きの習慣

毎度お話ししていることですが、女性ホルモンの正常な分泌に、規則正しい生活習慣は必要不可欠です。

中でも日々の生活の中でとくに気をつけたいのが睡眠のとり方です。人間の体は昼間は活動を開始し活発に動き、夜になると活動を控え、休止モードになるようにできています。遅くとも夜中の12時までに入眠することが疲労回復には最適です。さらに女性ホルモンは夜、寝ている時に蓄えられると言われています。なるべく早めの時間に就寝できるよう心がけてみましょう。

自分なりのストレス発散法を見つけましょう

仕事や人間関係ではもちろん、基礎体温を毎日つけたり、妊活のために行っていることがなかなか成果が現れずそれがかえってストレスになり妊娠を遠ざけている場合もあります。ストレスを受けると脳内にある視床下部からCRH(副賢皮質刺激ホルモン放出ホルモン)というホルモンが分泌され、その対応でいっぱいになり生体反応を優先します。そのため、それ以外のことは後回しにされ、生殖ホルモンのコントロールがうまくいかなくなり、排卵障害や無排卵、月経不順などを引き起こします。それは高温期の不安定も引き起こし、黄体ホルモンのバランスが悪く、着床しにくく流産しやすい子宮環境を作り出してしまいます。

好きなことを思いっきりする、趣味を見つける、自然と触れ合う、歌う、笑う、運動する、などリラックスできてストレスをうまく発散できる自分にあった方法を見つけておきましょう。

たばこ

たばこは吸う方はもちろん、そばにいるだけでも悪い影響があるといわれています(受動喫煙)。喫煙がエストロゲンの減少をもたらし、不妊症や流産などの増加をもたらすと言われていますし、卵胞が早く減少して、早めに閉経してしまうとも言われています。このようなリスクがあることをふまえ、もう一度良く考えてみましょう。どうしてもやめられない場合は、吸う本数を減らすだけでも大きな一歩だと思います。

アルコール

アルコールは、体内に入ると分解されてアセトアルデヒトという有害物質になります。この物質がさらに分解されて二酸化炭素と水になるのですがこの過程がもとで不妊を引き起こす、とも言われています。妊娠中はもちろんですが、できれば妊活中もなるべく控えたいものです。しかしながら、上記でも述べましたが、それがストレスになってしまうのならば、少量を楽しむ程度の飲酒は問題ないと思います。

排卵と黄体機能

ホルモンの分泌や卵胞、卵巣に異常があって、正常な排卵が妨げられる状態を排卵障害といい、不妊原因で卵管障害と並んで重要なものだと言われています。

まず卵胞が育ち、卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体ホルモン(LH)が卵巣を刺激して成熟し、卵巣を飛び出します。これが排卵です。卵胞が育たなかったり、育っていても卵巣から飛び出せなかったりすると排卵は起こりません。

排卵後、卵胞は黄体に変化し、プロゲステロンを分泌しだすので、排卵と黄体ホルモン(プロゲステロン)は深く密接した関係にあります。卵胞期から、排卵期、黄体期にいたる一連の流れで黄体機能を万全に整えることが、妊娠へとつながっていくのです。

排卵誘発剤

排卵誘発剤とは排卵を起こすための薬です。排卵障害だけではなく、人工授精や体外受精など、より多くの卵胞を成熟させるためにも使用されます。

排卵誘発剤の種類

[エストロゲン剤]

卵巣から分泌されている女性ホルモンのひとつ、卵胞ホルモンのことです。黄体機能不全の治療などに用いられます。

[プロゲステロン(ゲスターゲン)剤]

卵巣から分泌されているもうひとつの女性ホルモン、黄体ホルモンのことです。一般に合成された黄体ホルモン剤をゲスターゲンと呼び、黄体機能不全などに用いられます。

[クロミッド(クロミフェン)]

科学的に合成されたホルモン系以外の内服薬です。排卵誘発や黄体機能不全の改善に効果があり、排卵を起こす誘発剤としてもっとも広く使用されています。その反面、あまり長期にわたり服用し続けると、子宮内膜を薄くしたり、頚管粘液の状態が悪くなることもあると懸念されています。生理開始5日目より飲み始め、3〜5日間服用し、様子を見るのが一般的です。

[セキソビト(シクロフェニル)]

クロミッド同様、科学的に合成されたホルモン系以外の内服液で頚管粘液の分泌を促したり、子宮内膜を厚くする効果があります。しかしながら排卵誘発の効果は比較的弱く、初期治療などで使用されることが多いです。

[ゴナドトロピン]

非常に強い排卵誘発作用があります。クロミッドやセキソビトが効かなかった場合などに用いられます。人工授精や体外受精の際の排卵誘発に使用される場合もあります。生理開始後3〜5日目から注射によって投与され隔日、または連日投与され、直接卵巣を刺激します。

[FSH製剤]

卵胞刺激ホルモン(FSH)と同じ成分で作られた薬で、FSHの代わりとして用いられ、ゴナドトロピン同様、クロミッドやセキソビドが効かなかった場合に用いられますが、ゴナドトロピンに比べると卵巣が腫れにくい、という利点があります。生理開始後3〜4日目から隔日投与します。

FSHは卵巣に直接作用して、卵胞の発育を刺激し、卵胞を成熟させ、エストロゲンの分泌を促進します。成熟した卵胞に対しては、黄体化ホルモン(LH)とともに排卵を引き起こします。排卵誘発の場合には黄体化ホルモン(LH)のかわりに、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)を投与します。

[パーロデル]

高プロラクチン血症の特効薬です。一般的には1日1錠服用し、血液中のプロラクチン(乳汁分泌ホルモン)値を測定し、効果が見られない時には薬の量を増量します。

まとめ

妊娠の成立、継続に必要不可欠なプロゲステロン(黄体ホルモン)についてお話ししてきましたが、いかがでしたか? その作用は、生理前の不快感に通じるあまり歓迎できるものではありませんでしたが、とても大切な役割を担っているということは、おわかりいただけたかと思います。そして、その大事なプロゲステロンの分泌の量が少なくても、ホルモン剤で補うことができる、ということもわかりました。しかしながら、ホルモン剤で補うという行為はあくまでも補充なので一時的なものです。やはり自分本来のホルモンを分泌できるようにならなければなりません。規則正しい食生活、睡眠をベースにうまくストレスを発散して、卵胞ホルモンと黄体ホルモンがよいバランスで分泌されるよう、いま一度普段の生活習慣を見直してみましょう。