経済の急成長を遂げ、豊かになった中国人の購買意欲が爆発している。一方で日本人は以前に比べてあまり物を買わなくなったようである。この現象について中国メディアの多くは、日本が不景気であるという経済的な面ばかりを取り上げて解説しているが、「物に頼らない豊かさ」をという考え方の浸透も背景にあるのではないだろうか。(イメージ写真提供:123RF)

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 経済の急成長を遂げ、豊かになった中国人の購買意欲が爆発している。一方で日本人は以前に比べてあまり物を買わなくなったようである。この現象について中国メディアの多くは、日本が不景気であるという経済的な面ばかりを取り上げて解説しているが、「物に頼らない豊かさ」をという考え方の浸透も背景にあるのではないだろうか。

 中国メディア・今日頭条は8月30日、「あなたは物を買いまくっているが、日本人は断捨離をしている」とする記事を掲載した。記事は、日本の政府観光局が発表したデータとして、2015年に日本を訪れた中国人観光客499万人の1人あたり消費額が28万3800円にのぼったことを紹介。その購買力は「爆買い」と称されたとした。また、中国国内ではネットショッピングも爆発的な成長を遂げており、15年の11月11日に行われたEC業界のバーゲンイベントでは、タオバオや天猫などのECサイトでの取引総額が900億元(現在のレートで約1兆3909億円)を超えたと説明した。

 一方で、「中国人が熱狂的な爆買いを繰り広げているその時、日本の市民は『必要な物だけを買い、いらないものは捨てる』という断捨離の理念を提唱し、それが崇拝されているのである」と紹介。「断捨離」の実践により、自分の時間ができる、生活が楽しくなる、解放感が味わえる、他人と比べなくなる、行動力や集中力が高くなる、環境に優しくなり、自分も健康になる、感謝の心が湧く、今を楽しめるようになる、といったメリットを享受することができると伝えた。

 そして「われわれは生活のストレスを、買い物することで解消しようとしている。しかし実は、引き算の考え方に転換したほうが、買いまくるより有効なのかもしれない。なんといっても、さっぱりとしてキレイな居住環境は、人の心身を喜ばせるのだから」と、シンプルライフへの転換を提起している。

 「物欲の時代」をすでに通り越した日本で暮らす者にとって、今の中国における爆発的な消費活動ぶりは、なにか熱に浮かされているような、地に足がついていないような印象を禁じ得ない。特に日本での「爆買い」は異常な光景だった。その「異常な光景」は収束しつつあるようだが、物欲を満たすことで快楽を得ようとする今の中国の状況はまだしばらくは続きそうである。なにしろ、中国にはまだ物欲を満たすほどの経済水準に達していない人がたくさんいるのだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)