もしかして...と思ったら、まずは医療機関に電話を(画像はイメージ)

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厚労省や国立国際医療研究センターなどが、2016年8月24日に麻しんの広域発生の恐れを発表して以降、各地で麻しん患者が報告され、患者が滞在したと思われる施設などは注意喚起に追われている。

大阪の関西国際空港では従業員の集団感染が確認され、大阪府泉佐野保健所など関係機関は8月17日以降、空港を利用した人は体調の変化に注意するよう発表。

また、8月31日には、東京都立川市にあるコトブキヤ立川本店で26日に開催されたコンサートの参加者に麻しん患者がいたことが判明。東京都多摩立川保健所が、麻しんと思われる症状があった場合、速やかに医療機関に電話をし、受診するよう呼びかけている。

麻しんに感染した場合、10〜12日ほどの潜伏期後に、38度前後の発熱と咳、鼻水など風邪のような症状が現れる。この状態が2〜4日続いたのち、39度以上の高熱と全身の発疹、気道や結膜の激しい炎症といった症状に移行する。

免疫力が低下するため、他の感染症に罹ると重症になりやすく、肺炎や脳炎といった合併症の危険もあり、重症化すると死亡する危険性もある。

予防方法は、「麻しんと風しん混合ワクチン(MRワクチン)」などのワクチン接種しかないが、ワクチンによって大半の人が抗体を獲得でき、感染リスクを大幅に下げることができる。

1歳時と小学校入学前(幼稚園や保育園の年長)の定期接種を受けていない人は、成人も含めワクチンを受けることが望ましい。麻しんウイルスは感染力が非常に強く、空気(飛沫核)感染や接触感染によって人から人へ容易に感染し、免疫を持たない人はほぼ発症するとされている。

そのため、麻しん患者と接触した人が不用意に医療機関を受診すると、移動の過程でさらに感染を拡大させ、大規模流行を引き起こす可能性もあることから、各地の保健所では、医療機関を受診する場合、必ず事前に電話で連絡をし、麻しん患者と接触したことを伝え、指示に従って受診するよう、強く呼びかけている。

(Aging Style)