去る8月26日に、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が年内の利上げを示唆するような発言が飛び出しました。このサプライズ利上げ発言について、『毎日5分! 経済英語NEWS!』の著者・八木翼さんが分析しています。

イエレンさん、イエレンさん、お腰につけた円安団子

イエレンやその周りの人が、ちょっとドルの利上げを強気に発言をしただけで、あっという間に、円安になりました。

為替市場の予測は非常に難しい(というか不可能)なわけですが、zと見ています。(どうしても実需の円買需要が発生しますので。)

今回のドル安はいつまでもつのか。もし、ドルをお持ちの方がいれば、利上げの後が売りチャンスとなる可能性は高いですね。もちろん、日銀の対応にもよるわけですが、どうやら今週末の雇用統計が大きな影響力を持ちそうです。

ニュースを見てみましょう。

原文

【Jobs data to be a big deal for record-high stocks】

(1)

Wall Street will fixate on a wave of U.S. economic data next week, crested by payrolls data on Friday that could sway expectations about the timing of future interest rate hikes and spark volatility in record-high stock prices.

(2)

Fresh data about employment and consumer confidence could help investors solidify expectations for a December interest rate hike from the U.S. Federal Reserve, or lend weight to a minority of strategists predicting a rate rise as early as next month.

(3)

Fed Chair Janet Yellen said the case for a rate hike is strengthening, but she left open the timing of what would be the first increase since December 2015.

(4)

“She did put the market on notice that she’d like to raise rates, which means the payrolls data out on Friday is very important.

(5)

The wage component, length of the workweek and types of jobs, all are crucial in order to extrapolate to inflation,” said Quincy Krosby, market strategist at Prudential Financial in Newark, New Jersey.

(一部引用 REUTERS:By ANNABELLE LIANG and DEE-ANN DURBIN)

和訳

【記録的高値の株式をにとって雇用データが大変重要になった】

(1)

ウォールストリートは、金曜の賃金に関するデータを頂点に、今後の金利引き上げのタイミングへの予測を揺さぶる可能性があり、記録的高値の株価の変動を発火させる可能性がある、一連の米経済データを凝視していくことになる。

(2)

雇用と消費者信頼感の新たなデータが、投資家が米連邦準備制度による12月の金利引き上げへの予測を確実なものとし、速ければ来月に金利引き上げがあると予測する少数派のストラタジストの重要性の増大を助ける可能性がある。

(3)

連邦準備制度のJanet Yellen議長は、金利引き上げの立場は強まっていると述べたが、何が2015年の12月以来の金利引き上げをもたらすのかというタイミングについては、空白のままとした。

(4)

「彼女は、金利を引き上げたいと市場に通告しており、これは、金ようんに発表される給与のデータが非常に重要であることを意味する。」

(5)

「給与の構成、労働期間、職種、この全てがインフレを推定するために重要となる。」と、New JerseyのNewarkにあるPrudential FinancialのQuincy Krosbyは述べた。

経済コラム

それにしても一気に米金利の引き上げ期待は高まってきましたね。今後、米国は金利を引き上げ、日本は緩和状態にしていくと、円安により、日本の景気だけが良くなっていくのでしょうか??しかし、そうはならないことは、歴史が証明しています。

1.日銀が、市中銀行の国債を買い取ることで、市中銀行にはお金が行き渡ります。

2.お金が行き渡ると、お金は余ることになり、お金を貸し出したい銀行が増えます。

3.すると、低金利でもいいので、借りてほしい状態になります。

4.そうすれば、日本の企業は、金利が低いうちにお金を借りて、設備投資をするようになります。

5.設備投資をすれば、設備会社は儲かります。マネーは回り始め、どんどん経済は成長します。

これが安倍政権が描いているシナリオです。では、本当にお金は回っているのでしょうか?1.の部分は正しいです。確かに日銀は国債を買いまくっています。2.はどうか?本当に日本の銀行は貸し出しを増やしているのか?という疑問はずっと私の中にありました。

それが、今回ビジネス知識プレミアムという有料メルマガの中で解説されていました。(この方のメルマガは内容が濃くて、非常にお勧めです。)

そこでは、サンプルとして、日本最大の銀行である、三菱UFJ銀行のこの1年間のバランスシート(貸借対照表)の動きが記載されています。それによれば、大きく動いているものが、

【資産】

預金・預け金 +12.2兆円

貸出金    + 8.8兆円

【負債】

預金     +11.3兆円

売り現先勘定 +9.8兆円

(大きなものだけを記載しているため収支は合いません。)

となっています。

あ、貸出金が8.8兆円もプラスになっている!やっぱりお金は市場に回っていたんだ!と、無邪気に喜べたのもつかの間・・・貸出先の過去1年間の増減比較値の詳細を見てみると、

・国内株  +0.7兆円

・日本国債 -9.7兆円

・海外債券 +7.3兆円

です。

なんてことはない。海外債券ばっかり買っているんですね。というのも、日銀が国債を買いまくるので、市中銀行の投資先がなくなっちゃったんです。しょうがないので、海外、要は、米国債を買っているわけですね。FRB買わなくなった国債を、なんと日本の市中銀行が引き受けていたんですね。

なるほど。米国が安心し利上げをするわけです。この資金の流出は、確かに円売りドル買いを演出しますので、一定の円が安くなり、ドルが高まる効果はあるでしょう。

(※編集部注:一部、記事内容を修正いたしました)

image by: Shutterstock

 

『毎日5分! 経済英語NEWS!』より一部抜粋

著者/八木翼

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出典元:まぐまぐニュース!